厄介ファンだと思ってた！【三途春千夜】

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「おぉ、随分大量に戻したな」


『出来れば見ないで頂きたいんですけど……』







吐きたくても吐けない中、ヤクザに突然口に指突っ込まれて強制嘔吐させられた挙句、そのキラキラをガン見される経験なんて人生で何回ある？？



ゼロだろ


ゼロだと信じたいよ







「……お前って何者？珍しいブツ持ってるし変な奴だな」





.





あぁ、この人がヤクザでさえなければ、ただの人助け万歳！で終わったはずなのに





いやいや、私にも非はあるよね。立派なヤク中ですもの！なんとでも言え！！やめられないんだからしょうがない！！





アイドルでっせ、巷で有名なAちゃんでぇす♡






って自己紹介してやりてぇぇぇぇえ！！！







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「もしかして、ウチの対立組織だったりして…」





なんて、見当違いなこと言ってくるもんだからもう





…………逃げるしかない！！！！







『失礼！』



喋ると同時に近寄ってきたヤクザさんの胸をバーンと押しのけてダッシュ！

えらい！ちゃんと謝った私えらい！！






ヤクザなら人通りの多い所は好まないだろうし、このまま駆け抜ければ……





「いや、逃げるならもっとマシな走りで逃げろよ」


『………』






……え、いつの間にか髪の毛掴まれてるんすけど



ヒールか、ヒールのせいか



最悪です









「お前怪しいヤツだな、早く名乗れや」

『や……！ちょっと痛……』



「そこで何してるんだ！！！！！」




髪をクイッと引っ張られたと思ったら、おじさんのデカい声が耳を刺激した


該当もなく真っ暗だった裏路地が、




『うわっ………』





途端に怯んでしまうほどに眩しく照らされた







.





しばらく目が慣れるのに時間がかかって、ようやくきちんと正面をむく





「……トラブルがあったって通報があったが、お宅だろうか」





………げ、警察だ

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