厄介ファンだと思ってた！【三途春千夜】

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周りで見ていたファン達、隣のメンバーもこっちを見ていたけど、私達のいつも通りの会話を聞いて元の場所に戻って行った


……危ない危ない

私は今、17歳の天使、明道Aなのだ






『はい！出来たよ！ちよちよには特別にハートマークつけちゃう！』

「ぐはっ……愛してる………！！」



はよ帰れ



色紙を手渡すと心から嬉しそうに抱き締めていた

……なんなのこいつ




おい、スタッフ、追い出せ




目で訴えかけるけど、全然こっち来ない


『ちよちよ……？そろそろバイバイの時間じゃない……？』


上目遣いで聞いてみると、にっこりと微笑みを返される


「何言ってるの？俺ら結婚するんでしょ？離れられるわけないじゃん。何枚積んだと思ってるの？？」


そいつのポケットから登場する、束になったシリアルコード



こいつ……！重複当選してやがる……！？




「この日のために俺がどれだけの時間を費やしたことか……」



時間………お金じゃなくて？


まさかこいつ



「ちょっと手こずって10枚止まりなんだけどね？みょんたんとの時間は長さよりも濃さが重要だよね♡」



ひらひらと揺れるシリアルコードの中には、何枚か血痕の着いたものがあった




……横奪



ちらっと横を見ると、他メンバーが暇そうにこっちを見てる



『……ねぇ、ちよちよ』

「ん？なに？」



『皆のサインはいらないの…？』



ガッツリ他メン飛ばしてきてるやんけ

見ろよこの横にいる金髪ガキの般若顔を

そしてこいつが10枚もチケット持ってるせいで後ろの客はスタッフによりせき止められてる




「俺が浮気なんてするわけないじゃーん！」

『いや、浮気とかじゃなくてね、』

「俺はみょんたんだけ見てる。だからみょんたんも俺だけを見てればいいの」




自然と手を絡められて、おでこがコツンと重なる
いや、顔ちけぇよ


おいスタッフ〜！見てねぇで助けろ〜！今までで1番のセクハラされてるけど〜！



「みょんたんってやっぱ、ファンサの神…」
「あのキモオタにも神対応……」
「プロ意識すごいな………Twitterに載せよ」




ヒソヒソとエントランスで会話するオタク達が私達にスマホを向け始める



やめろおおお！！プロ意識高いのは認めるけどこれはファンサじゃねー！ただの性的暴行！



……でも、ここで抵抗すると、私のアイドルとしての株が落ちてしまう！



どうする！？

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