はじめまして ページ4
『はいみんな〜!朝の会始めるからね〜今日は紹介したい先生もいるから、遊んでるものはちゃんと片付けてから来てね』
園児たちのはーい!という大きな声で我に返る。当たり前だ。それを学ぶためにここへ来たのだから。
片付けの最中、何人かの園児たちに、「おねえちゃんだぁれ?あたらしいおともだち?」と興味津々そうな顔をされる。
あまりに純粋すぎる目で残酷なことを言わないでくれ。そんなに子供に見えるのかと少し悲しくもなったけど。
『みんなお片付けできたね!じゃあAちゃん、自己紹介してね』
再び安藤が子供たちを招集する。それぞれバラバラに向いていた視線が全てこちらに向いた。
「は、初めまして、今日からこのクラスの先生になったAです。仲良くしてくれると嬉しいです…!」
言い終わり、緊張のあまり勢いよく頭を下げる。
『…はい、ということで今日から新しい先生が来てくれました!きつね組のみんな、仲良くしてあげてね』
そして訪れる一瞬の沈黙。しかしそれは安藤の言葉で破られる。
それを聞くなり子供たちがわぁっと群がってきて争奪戦を始めた。
「A先生っ!いっしょにおままごとしよー!」
「だめだってば!Aせんせいは外でおにごっこするやくそくしたんだから!」
「なにいってんだよ、そんな約束してないじゃん!」
「せんせっ!早くこっちこっち…!」
腕を引っ張られたりエプロンを引っ張られたり。男の子も女の子も関係なく遊びの約束を取り付けて来ます。
「…ちょ、順番!順番決めよう!先生一人しかいないから!」
それでも中々離れてくれない子ども達。参ったな…無理やり引き剥がす訳にも行かないし……
そう思っていた矢先。
「先生と一番はじめに遊ぶのだーれだ!!王様じゃんけんじゃんけんぽん!!」
背後から大きく通る声で、誰かがお決まりの言葉を大声で発した。
98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琥珀 | 作成日時:2022年4月10日 17時