入園希望ですか？ (ページ3)

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「「…えっ」」

後ろからただならぬ気配を察知した2人。恐る恐る後ろを振り返ると、

？？「……次からはちゃんと''じゅんばん''守ろうって決めてたの、もうわすれたんだ？」

子供らしからぬ爽やかな笑顔を浮かべつつも、その海のような瑠璃色の瞳には少し炎が灯っている。

『ほら、ごめんなさい、は？』

Na「…ご、ごめんきんとき……」
Sha「…ごめん……」

安藤に促され、二人は小さい体を更に縮こませながら、小刻みに震える手でおもちゃを手渡す。

Kn「…いいよ、おれはいいからふたりで''ぐっぱ''してじゅんばん決めてあそびなよ」

さっきまでの表情とは180度一変。ぱっと明るい笑顔になり、「ごめんね、おこってないよ」と大人な対応をする。

Na「…き、きぃんときぃ……！！こわかったよ…！」

あまりの気迫に、綺麗な水色の瞳が溶けているかのように大粒の涙を浮かべる。

kn｢しゃけもごめんね、ほら、あそんでいいから｣

sha｢……うん｣

シャークんが目を潤ませているのに気づいたきんときと書かれたネームプレートの男の子は、彼の頭を優しく撫で、優しい声でそう言った。
その微笑ましい光景からは同い歳なのに圧倒的お兄さん感を感じる。というか本当に幼稚園児か…？とさえ思わされる。

『仲直り出来たね、偉い偉い。…あ、Aちゃん、いきなりでごめんね。騒がしいクラスだけど、ここが今日から担当してらうクラスだから』

すっかり蚊帳の外だった貴方に気づいた安藤がそう言う。
実習等で何度か色々な幼稚園保育園には行っていたが、いざ仕事としてその場に関わるのはやはり経験が足り無さすぎることを実感した。