高 ページ3
「残念ですが、貴方の本丸の刀剣はこれからどんどん消えていきます」
無機質な声でそう告げられたのは、今から約一時間前の事
何でも私の本丸に不具合が生じたようで、
刀剣達がどんどん消えていくらしいのだ
私は静かにそれを聞き、本丸へと重い足取りを進めた
私の気分を表していたのか、外は雨が静かに降っていた
「只今戻りましたよ」
玄関先で傘の雨水を払い、
いつも通りを装って声を出す
「おかえりなさーい!」と
声を上げたバタバタと短刀達がお出迎えをしてくれる
「こら、廊下は走ると危ないですよ。
主、お帰りなさい」
「主、お帰りなさい!
お土産は?」
「うん、お迎えありがとう。
いち兄も、お疲れ様。
加州、お土産は赤いチェックのマフラーだよ!
あと、乱には朱色とクリーム色のシュシュ。
他のみんなには大福と羊羹だよ!」
紙袋を一旦いち兄に渡すと、短刀達を引き連れて大広間に行く
「ただいま、皆さん。
では、夕餉にしましょうか!
…歌仙、あとで私の部屋に」
「ああ、分かったよ主」
私は蛍の隣に座り、手を合わせる
「では、手を合わせて…
いただきます!」
そう言うと、周りも続いていただきます、と言う
その後は皆でお茶を楽しみ、夜が更けた…
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作者名:なゆらー | 作成日時:2017年12月27日 17時