居候がおりまして。ver.3【白膠木簓】

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「サプライズゲストのオファーです。

どうします？受けますか？」


「当たり前やろ」




少し前、手渡された企画書の日付はクリスマスだった。


マネージャーの受けますか？って言葉は俺のプライベートを案じてるのか。
勿論予定はあらへんけど作ろうと思えば作れないわけでもない。





「ほな先方には伝えときますね。
いやあ…白膠木さんほんま仕事熱心で助かりますけど、そろそろ彼女とか作らんのですか？」


「んー、彼女ねえ………」





欲しくないと言ったら嘘や。
でも女の子と呑んでみたってふと思い出すのはあの子のこと。






「そんなんサンタさんが連れてきてくれたら儲けもんやのになあ」






彼女は今どこで何してるんやろ。

変な男に捕まってないやろか。

一人で泣いてないやろか。

まだあの小さな家に住んでるんやろか。





二年経ったって女々しい自分に飽き飽きしている。


おかしいなあ。俺そんなピュアでもないのに。






(Aちゃんはまだ来おへん)



















「白膠木さん！」
「！」


「出番もうすぐですけど……大丈夫ですか？」
「あ、ああ。すまん、」




そろそろ舞台袖にと言われ立ち上がった。


あかんな、ちゃんと集中せんと。
あの不思議な日常を思い出すとタイムスリップしたみたいになる。





「アルミ缶の上にあるみかんー、布団がふっとんだー」
「また始まった。白膠木さんの準備体操」
「馬鹿にできひんでこれ？オモロいこと言うためには今からオモロいこと言うとかんと」





マネージャーははいはい、と苦笑い。


つまらんギャグやってツッコむ時の盧笙と同じ顔しとるでそれ。


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