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「………んだよ、その目は」
「いえ。何でもないです」
(さっき一郎君、この人のこと見てたよね)
事情があるのは彼も同じか。
この男、たしか名前は……左馬刻さん。
自分より若い気もするが間違っても呼び捨てなんて出来なさそう。
「どうして急に手伝うなんて言い出したんですか？」
「………気まぐれだ」
「へえ。それは随分俺様ですね」
「左馬刻様だからな」
「…………」
ああ言えばこう言う。今のは笑っても良かったのか？
………絶対無理だけど。
はあ、一郎君だけの方が何倍も楽だったのに。
「おいA」
「………なんですか」
いきなり呼び捨てですか。
顰めた顔を下手な笑顔で隠して振り向く。
「────俺にも居る」
「は？」
藪から棒に何を言って。
素っ頓狂な私の表情にふっと笑う左馬刻さん。
「どうしても会いてえ奴」
だからAの気持ちは分かる。
どこからか取り出した煙草に火をつけながら彼は言った。
誰とは聞かない。でも赤い瞳って、狡い。
それは男の中に激る熱い気持ちが嘘ではないと伝えてくるようだった。
携帯を持っていないことに気づいたのはバイトの面接に行った時だったかな。
連絡をとる相手も居ないし、いつも独歩さんか一二三さんが一緒に居たからそれほど不便も感じていなかった。
だから寂雷先生からの連絡も全て二人を通して教えてもらっていて。
「うう、寒っ……！」
「Aっ！！！」
「！おかえりなさい、一二三さん。
そんなに慌ててどうしたんですか？」
両手に紙袋やら色んな物を抱えて帰宅した一二三さんは、マフラーもコートも中途半端に着こなし顔を赤くしていた。
「うわプレゼントですかこれ、シャンパンばっかり。
明日はクリスマスですもんね。家でシャンパンタワー出来そう………」
「子猫ちゃん達がくれてね……
って！今はそれどころじゃないんだ！」
今の彼はホストの一二三さん？？
……にしては落ち着きなくバタバタと荷物を置いて。
何かを探してポケットやカバンを荒らす。
ああ煩わしい！とジャケットも脱ぎ去れば、いつもの彼が携帯を開き私に押しつけてきた。
「…………っ、会えるよ！！！A！！！」
「会え、……へ？」
「Aが会いたがってたアイツに、
やっと、会えるんだ……っ！！」
▼それは吐息も白く凍る季節のこと
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るる(プロフ) - 簾さん» 簾様、誤字のご指摘ありがとうございます。該当のページは修正させて頂きました。また何かお気づきの点ございましたらご報告頂ければ幸いです。 (2022年8月16日 22時) (
レス) id: b70bae4cdb (このIDを非表示/違反報告)
簾 - day46の最後、るるって作者様のお名前ですか…？ (2022年8月16日 21時) (レス) @page21 id: 7996fa9caa (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 朱鳥さん» 朱鳥様コメントありがとうございます。星評価足りないなんてとても嬉しいお言葉ありがとうございます。いよいよ二人の新展開が始まりました！今後とも更に楽しんで頂けるよう頑張りますので乞うご期待ください。サイト開設しましたらまた告知させて頂きます。 (2022年1月6日 10時) (レス) id: b70bae4cdb (このIDを非表示/違反報告)
朱鳥(プロフ) - 更新お疲れ様です。どんどん引き込まれていく展開で毎回ハラハラドキドキしてます。たくさん押したいのに星の評価が足りないくらいです。サイト開設されましたら是非、そちらも見に行かせていただきたいです。 (2022年1月5日 0時) (レス) @page46 id: 53a215b2a7 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - なっつさん» なっつ様コメントありがとございます。過去作まで何周もして頂いてとても嬉しいです！今後とも続きを楽しみにお待ちください！お気遣い頂きありがとうございます。なっつ様もお身体に気をつけて。サイトも開設しましたら告知させて頂きます！ (2022年1月3日 10時) (レス) id: b70bae4cdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる | 作成日時：2021年11月15日 21時
