赤色の見解 no.1 ページ6
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「一郎、これで良かった??頼まれてたやつ」
「さっすがA…!!女神…!!!」
「大袈裟だよ」
萬屋ヤマダにきたこと、簓には内緒ね。そう言って笑うAの手には待ち望んだ同人誌。
オオサカでしか出さないと聞いて気を揉んだが、持つべきものは友人だ!!
「ほんっっっっと今度礼する…!簓さんは忙しくて無理だと思って…!」
「別にいいよ。こないだも簓がなんか頼んでたでしょ。それでおあいこってことで」
「あざっす!!!!……って、あれ?それ簓さんに聞いたのか??」
こないだ頼まれたことって例のヤクの出所調べるってやつだよな?でもあれ絶対Aにはバレないようにって…。
くすり。俺が頭を掻いたと同時に吹き出したように彼女が笑った。
「んーん。簓ね、隠し事する時私の目じっと見るの。丁度一郎に電話したあとっぽかったから何か頼んだのかなって」
まさかそんな癖が簓さんにあったなんて。俺からしたら、こっちにいた時の簓さんって年上なのに先導して悪ふざけする兄貴って感じで、何でも器用に一人で熟すイメージだ。
碧棺左馬刻の相棒。
今でも覚えている、あの二人が並ぶ後ろ姿を。
「Aって簓さんのことよく分かんのな」
「幼馴染ですから。一応」
自分の口角が意図せず上がる。本当に二人がまた会えて良かった。あの時の簓さんはその手の話しをすると、自分はなんもないで〜ってはぐらかすから聞かないようにしてたんだ。
「───でも、私でも分からないこともある」
彼女は目を伏せて語る。
「簓の気持ち何にも分かってなかった
一郎達みたいに兄妹だったらもっと違ったかな」
血が繋がっているから分かることがある。だから俺は弟達を大事にしてきた。でもAも大事な友人だ。どっちも大切。
その時俺の頭に明日のバトルのことが過ぎる。
「……悪いが明日は負けらんねぇんだ」
「分かってる。そんなつもりは、」
「でも俺は嘘は嫌いだ。だから伝えてくれ、簓さんに。」
頭を撫でれば柔らかい髪に息をつく。
「教えてくれ、血の繋がりだけが絆じゃねえって」
幼馴染の絆がどれほどなのか証明してくれよ。
@xxxx 赤色の見解(Iの場合)
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るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様ありがとうございます!無事に完結して良かったです!これからも二人仲良く過ごしてくれると嬉しいですね!これからも応援宜しくお願い致します。 (2021年9月24日 9時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 誕生日の前日ってことは今日ですよね?!完結と誕生日おめでとうございます!難しい言葉凄く知ってるから年上の方かな?白膠木さんと夢主ちゃんの関係性の名前が変わっただけで誕生日の祝い方は同じ何だろうなと思う今日この頃。作者様にとってより良い日が続きます様に! (2021年9月23日 5時) (レス) @page40 id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。長かったですね!漸くここまで書けたと嬉しくなりました!きっと盧笙さんは号泣です(笑)ぜひエピローグまで読んで楽しんで頂けたら嬉しいです!こちらこそいつも応援ありがとうございました!他作品でもぜひ宜しくお願い致します。 (2021年9月22日 14時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - やっと……やっと実った…っ!白膠木さん、長年の想い届いて良かったねぇ!どついたれ本舗四人でならきっとどんなことも乗り越えられる!だから死が2人を別つまで…って誓ってキスして躑躅森さんに感涙して欲しい。作者様、こんな素敵な物語紡いで下さってありがとう! (2021年9月20日 14時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。いつも笑ってるのは不安を隠すためだったら…っていうのは妄想ですが、絶対無敵じゃない白膠木さんもいいかなと思いました。お互いを想って応援できるようになった二人に乞うご期待を! (2021年9月6日 10時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2021年8月19日 23時