私と白膠木さんのどつかれた日常譚 FINAL【白膠木簓】

. ページ42

.




「付き合ってから知ったんですけど、簓って意外と記念日とかちゃんとするんです」


「はー。マメなやつやなあ」
「ですよね？今日は三ヶ月記念日や〜って言われた時はびっくりしました」




照れ笑いをしながらミニブーケ片手に帰ってきた日が懐かしい。
汗ばんだ額で急いで帰ってきたのだと分かると、胸が少しきゅんとなった。






「そんだけAのこと大事にしたいんやろ」
「………もう十分されてるのに」


「満足いくまでやらせとき。Aが喜んでくれるんが簓はいっちゃん嬉しいんやから」


「──────、」






その時お待たせしましたー、とタイミングよくパフェが運ばれてきた。熱る顔を冷まそうとまずはアイスに口をつける。





「私だって、そうだもん……」





そして小さく呟いた言葉に盧笙さんは吹き出すように笑った。





「ふはっ！Aなんやそれ、惚気やったん」
「え！あ、ち、ちがっ…！！」


「まさかAがデレとるとこ見れるとはな。
なんやえらい珍しいもん見せてもろたわ」
「ううっ……！簓には言わないでくださいね…！」





こんなこと本人の耳に入ったらどうなるか分からない。聞かれて悪い話ではないが、恥ずかしいから気が引ける。





「で。プレゼントは決めたん？」


「それが…まだ決められなくて。それを盧笙さんにご相談に…」
「Aから貰うんならなんでも喜びそうやけどなあ。付き合う前は何あげたん？」




「えーっと……たしか…


去年はプロテインで、その前が腹筋ローラーで」




「ぶふっ！ごほっ！！」





コーヒーを盛大に吹き出す盧笙さん。

え、なに、そんなに驚くことある？？




「…っ、なんでプレゼントが筋トレ関係やねん」
「だって簓細すぎるから鍛えた方がいいかなあって…」
「筋肉ある簓もきもいからやめとき」




そう言われて想像してみると、うん。やっぱり今のままの方がいい気がしてきた。盧笙さんくらいの体格なら襲われても勝てるかなと思ってたけど、それは簓じゃないな。





pipipi


「！」
「電話か？出てええよ」
「すみません」





軽く会釈して電話に出る。




そして数分会話をした私の顔が一気に青くなった。





「ろ、ろしょ、さん…！！」
「ん？どないしたん」


「は、ハロウィンが…！！」
「ハロウィン？？」





あ。無理。泣きそう。






「ハロウィン、

簓が出る番組でサプライズ出演だって…！」






@main さあ！化かすか化かされるか！


.

▼tragic BIRTHDAY.2→←▼tragic BIRTHDAY.1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す