▽tragic.62 ページ33
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「A、俺を好きになってや」
絶対落としたるなんて豪語しといて、何十年も抱え込んだ不安が拭えるはずはなく、むしろ以前よりも彼女の一言一句に怯えとった。
結局最後に溢れた言葉は全身全霊のお願いだけ。
ひっそりと繋いだ指先からAの熱が伝わってくる。
細い。やっぱり離したない。
視線をそこに動かし、少し力を入れたらびくりとするAの手。
この手に何回も救われた。これが愛おしいって気持ちか。
Aの全部が愛おしい。
苦しくて狂おしくて、喉から手が出るほど欲しくて欲しくて堪らない。
身体も気持ちも、お願いやから全部俺のもんになってや。
「私も話していいかな…？」
「！…ん」
漸く聞こえてきた声に視線は上げない。いや、あげられへん。
今から言われる言葉はAの本心や。怖い。
もしダメでも一生幼馴染でいる覚悟は出来とる。とりあえず一週間は盧笙んちで慰めてもらって、また笑て会えばいい。
せやけど、恋心は？いつか捨てられる日が来るんやろか。
「私ね、簓とはずっと一緒に居られると思ってたの」
柔らかく優しく、それは一つ一つ丁寧に吐かれていった。
「きっと何年経ってもお互い切磋琢磨して、たまに馬鹿なことして、そうやって生きていくんだって思ってた。
でも簓は違ったんだね」
「ずっと気づかなくてごめんね」
ぽたり。雨が降るようにソファーに水滴が落ちる。
泣いてるんやって、ただそう思った。
彼女が罪悪感を抱く必要は全くないのに。
「でも自分の気持ちにやっと気づいたの」
「──────」
繋いだ指先はそのままにそっと持ち上げられた手。
顔の高さまで上がった先に愛おしい人の顔が映った。
「幼馴染だから一緒に居たかったんじゃない。
簓だから一緒に居たかったの。
どんな時でも簓がおかえりって、笑って隣に居てくれるから、っ」
泣かへんで。
空いてた方の手で涙を拭うと、柔らかい手が上から重なった。
「好き、私もどうしようもないくらい、
簓がすきだよ」
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るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様ありがとうございます！無事に完結して良かったです！これからも二人仲良く過ごしてくれると嬉しいですね！これからも応援宜しくお願い致します。 (2021年9月24日 9時) (
レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 誕生日の前日ってことは今日ですよね?!完結と誕生日おめでとうございます！難しい言葉凄く知ってるから年上の方かな?白膠木さんと夢主ちゃんの関係性の名前が変わっただけで誕生日の祝い方は同じ何だろうなと思う今日この頃。作者様にとってより良い日が続きます様に! (2021年9月23日 5時) (レス) @page40 id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。長かったですね！漸くここまで書けたと嬉しくなりました！きっと盧笙さんは号泣です(笑)ぜひエピローグまで読んで楽しんで頂けたら嬉しいです！こちらこそいつも応援ありがとうございました！他作品でもぜひ宜しくお願い致します。 (2021年9月22日 14時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - やっと……やっと実った…っ！白膠木さん、長年の想い届いて良かったねぇ！どついたれ本舗四人でならきっとどんなことも乗り越えられる！だから死が２人を別つまで…って誓ってキスして躑躅森さんに感涙して欲しい。作者様、こんな素敵な物語紡いで下さってありがとう！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。いつも笑ってるのは不安を隠すためだったら…っていうのは妄想ですが、絶対無敵じゃない白膠木さんもいいかなと思いました。お互いを想って応援できるようになった二人に乞うご期待を！ (2021年9月6日 10時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる | 作成日時：2021年8月19日 23時
