▼tragic.57 ページ20
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「A」
「左馬刻様？」
会場が薄明かりに照らされ始めた頃、通路の途中で声をかけてきたのは左馬刻様とMAD TRIGGER CREWの二人だった。
「見に来てくれたの？」
「こいつらがどうしてもって言うから仕方なくな」
「ふざけんな。左馬刻がそわそわしてるから連れてきてやったんだよ」
「ああ？喧嘩売ってんのかウサポリ公」
「落ち着け左馬刻。銃兎も悪気はない」
「ふふっ」
三人が揃っているところを見たのは先日の事件依頼だ。相変わらず仲が良くて微笑ましいなあ。
「……んだよ、なんか機嫌いいなお前」
ぎしり。彼がもたれ掛かる柵が音を出す。
そんなに顔に現れていただろうか。少し恥ずかしくなって頬に手を当てれば微かに熱を帯びていた。
「うん。やっぱりみんながいると楽しいなって思って。
それにどんな結果でも笑って迎えることにしたから」
三人がほんの少し目を見開く。なに幼稚なことを言ってるんだって思ったかな。でも今の私にとって心から出た素直な言葉だった。
緊張の裏の僅かな高揚感。
「あﾞぁ…なんか漸く分かったわ」
「え？何が？」
「簓の奴、お前のことすげぇ好きなのになんでこっちに来たのか不思議だったんだよ」
「A。お前は眩しすぎんだ」
それは褒め言葉？意図が理解出来ず首を傾げる。
すると溜息を吐いた左馬刻様が柔らかく声を出した。
「乱数も先生も、空却もいた。
全員がアイツらのバトルを見に来てる。
Aもここにいろ。
今日だけ簓の代わりに俺様が守ってやるよ」
感謝しろよ、と舌舐めずりして笑う左馬刻様。
嗚呼、みんなが優しくてこっちが照れるじゃない。
思えば生まれてこの方、悪いことは結構あった。
突然父が亡くなったり、マネージャーをやっていたお笑いコンビが突如解散したり、幼馴染故のやっかみに巻き込まれたり。
でもいつも最後に私を助けてくれたのは簓だ。
幼馴染が助けてくれた、笑わせてくれた、側にいてくれた。そしてみんなに出会った。
だから今私はここにいる。
「始まるぞ」
歓声に割れる会場。
ここは彼に世界で一番似合う舞台だ。
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るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様ありがとうございます！無事に完結して良かったです！これからも二人仲良く過ごしてくれると嬉しいですね！これからも応援宜しくお願い致します。 (2021年9月24日 9時) (
レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 誕生日の前日ってことは今日ですよね?!完結と誕生日おめでとうございます！難しい言葉凄く知ってるから年上の方かな?白膠木さんと夢主ちゃんの関係性の名前が変わっただけで誕生日の祝い方は同じ何だろうなと思う今日この頃。作者様にとってより良い日が続きます様に! (2021年9月23日 5時) (レス) @page40 id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。長かったですね！漸くここまで書けたと嬉しくなりました！きっと盧笙さんは号泣です(笑)ぜひエピローグまで読んで楽しんで頂けたら嬉しいです！こちらこそいつも応援ありがとうございました！他作品でもぜひ宜しくお願い致します。 (2021年9月22日 14時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - やっと……やっと実った…っ！白膠木さん、長年の想い届いて良かったねぇ！どついたれ本舗四人でならきっとどんなことも乗り越えられる！だから死が２人を別つまで…って誓ってキスして躑躅森さんに感涙して欲しい。作者様、こんな素敵な物語紡いで下さってありがとう！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。いつも笑ってるのは不安を隠すためだったら…っていうのは妄想ですが、絶対無敵じゃない白膠木さんもいいかなと思いました。お互いを想って応援できるようになった二人に乞うご期待を！ (2021年9月6日 10時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる | 作成日時：2021年8月19日 23時
