灰色の見解 no.3 ページ2
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「なあ一二三」
「んー?どしたー?」
何ヶ月ぶりに食べる一緒の夕飯、独歩が箸を震わして聞いてきた。明日のために精のある料理を作ったけど、お疲れの身体には重かったかな。
「さっき先生から電話があって、Aと話したんだけど」
「え!Aちんもこっち来てんの!」
Aは俺が唯一話せる女の子。ゆーてジャケット着てなきゃ5メートルは離れて視界に入れないようにしなきゃいけない。それでも話してくれるから俺はダチだと思ってんだ!
「……あの、Aと簓って人、付き合ってんのかな」
「ぶっ、え、どっぽちんそれはまさか、」
「違う!そういうのじゃなくてだな!!」
独歩ちんにそんなこと考える余裕があったなんて…好きな子がいることよりそこに驚きだな。
「万年仕事のことしか考えてないと思ったら…独歩ちん意外にやるのなっ」
「だから違うって……いや否定しなくもないけど…」
「ししっ、いいんじゃね?Aは優しいもんな!で、なんだっけ?付き合ってるかって?」
こくりと頷く独歩。簓ってAの幼馴染だよな?
…でも前に聞いた時はそんな感じしなかったけど。
「分かんねえけど、でもそんなんどっちでもよくね?」
「は?何言ってんだよ…ホストのお前に話した俺が馬鹿だった」
「えー!どいひー!それは俺っちも傷つくぜ!?」
「でも俺みたいなやつ彼女の視界に映るのも烏滸がましいのに、なに夢みたいなこと話してるんだって…」
「ちょーい!待った待った待った!そこまで言ってねーし!!とりあえず呑んで呑んで!」
また独歩の闇モードが始まった!慌てて用意していたビールをグラスに注ぐ。俺っちが言いたいのはそういうことじゃなくて!
「ぷはっ、あーもうなんでバトルの前にこんな…!」
「くくっ。独歩ちんは考えすぎっていつも言ってんじゃん」
「お前は考えなさすぎなんだよ」
「でもさ、ウチのお店に来る子達はそんなこと考えてないぜ?」
ホストをやっていて女性から好意を向けられるのは日常茶飯事だ。
「俺っちも好きとか愛してるとかよく言われるよ。
でもそういうのって表面的じゃん。
大事なのはその子の幸せをどんだけ考えられるか、だろ?」
にっと笑ってみせると独歩は少し間を置いて微笑んだ。そうそう!笑ってる独歩ちんの方が何倍もいいっつーの!
「俺っちはみんなが大好きだからさ!笑ってくれたらオールオッケー!独歩は勿論だけどな!」
@xxxx 灰色の見解(Hの場合)
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るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様ありがとうございます!無事に完結して良かったです!これからも二人仲良く過ごしてくれると嬉しいですね!これからも応援宜しくお願い致します。 (2021年9月24日 9時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - 誕生日の前日ってことは今日ですよね?!完結と誕生日おめでとうございます!難しい言葉凄く知ってるから年上の方かな?白膠木さんと夢主ちゃんの関係性の名前が変わっただけで誕生日の祝い方は同じ何だろうなと思う今日この頃。作者様にとってより良い日が続きます様に! (2021年9月23日 5時) (レス) @page40 id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。長かったですね!漸くここまで書けたと嬉しくなりました!きっと盧笙さんは号泣です(笑)ぜひエピローグまで読んで楽しんで頂けたら嬉しいです!こちらこそいつも応援ありがとうございました!他作品でもぜひ宜しくお願い致します。 (2021年9月22日 14時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
八守葵(プロフ) - やっと……やっと実った…っ!白膠木さん、長年の想い届いて良かったねぇ!どついたれ本舗四人でならきっとどんなことも乗り越えられる!だから死が2人を別つまで…って誓ってキスして躑躅森さんに感涙して欲しい。作者様、こんな素敵な物語紡いで下さってありがとう! (2021年9月20日 14時) (レス) id: e7d640d42f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 八守葵さん» 葵様コメント有難う御座います。いつも笑ってるのは不安を隠すためだったら…っていうのは妄想ですが、絶対無敵じゃない白膠木さんもいいかなと思いました。お互いを想って応援できるようになった二人に乞うご期待を! (2021年9月6日 10時) (レス) id: 5e72f07573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2021年8月19日 23時