居候がおりまして。【白膠木簓】

▼Day.4 ページ9

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「でな、見た目は変わらんのにどこ行っても知っとるやつがおらんねん゛っ！…なんこれスーパーのやのにめっちゃ美味いやん…！一日歩き続けてしんどいのなんのって…っ、あかんまﾞだ泣けてきた…っ！あﾞ、それ食わんのやったらもろていい？」


「泣くか喋るか食べるかどれかにして下さい」




スーパーで安売りしてたお好み焼きは一人分にしては大きく明日も食べようと思ってたけど、その悩みはいとも簡単に解決されたようだ。

帰宅してみれば家の前に不審者がまた。おそるおそる近づくと朝も見た緑髪の男がそこにいた。




「ずっ…じゃあ食ゔ…！」
「はい。どうぞ」

「おおきに！！いやー！アンタは命の恩人やっ！」
「はいはい…」




なんで戻ってきたんだろう、と思ったけどさっきの泣き顔で考えることもバカバカしくなってしまった。

素性も分からない男…名前は、なんだっけ。とにかくそんな人を家に入れるなんて親に知られたら勘当ものだ。




「っはー！ご馳走さんでした！」


「あの…なんで戻ってきたんですか？困ってるなら警察に行けばいいのに」
「朝警察突き出そうしてた自分がそれ言うん？」




口につけるグラス。





「疚しいことしてないなら堂々と行けばいいじゃない。まさか詐欺師やヤクザなわけじゃ、」



「ぶっ」

「……は？」

「ごほっごほっ！！い、や、変なとこに入って…ごほごほっ…！」





まさか…………図星？？





「あーっ！！まてまてまて！無言で携帯ださんで！！
お巡りさん遠回りやから来られへんて！！！！」



「…通りで口が上手いと思ったらそういうこと。刑務所もご飯出ますから安心してください」
「せや俺俺〜実は事故ってもうて〜…って詐欺師やないわ！！」


「もう会うこともないでしょう。一瞬でも憐れんだ私が馬鹿でしたさようなら」
「わー！！ほんまに待てて！！話す！！話すから110番は堪忍したって！！！あかんねん！まじで！！」





思い出した。ぬるでささらだ。この変態の名前。


あー…検索履歴消しとけば良かった。



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