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*3* ページ3

なんだろうこの人、失礼な人だなぁって思ったのに


ほんの少しだけ見とれてしまったのは残念ながら紛れもない事実だけれど。


「ぁ、すみません…」


面倒ごとは避けたくて、

平凡に生きたくて、

きっとこんなよく目立つ人に喧嘩なんて売った日には血の雨が降るんだろうなぁって被害妄想ばかりして。

小さな声で謝ると、彼はこちらをちらりと一瞥して私から少し離れたところに腰掛けた。

大きなヘッドホンから小さく聞こえる音漏れ。

高校生があまり聞かないような、古い洋楽の。


「…ぁ、この曲」


なんか、知ってる。

そう小さく口に出すと、いきなり彼は少し意外そうに言った。


「知ってるの?」

「え…、と、お姉ちゃんが聞いてて、私も好きで…、月島くんって洋楽聴くんですね」

「僕の名前なんで知ってるの」

「だって、有名だから」

「ふぅん…」


興味なさそうに彼がつぶやいて、それが会話終了の合図だった。

(洋楽、聞くんだ…)

はやく、はやく、
月島くんをかっこいいと言っていたあの子に教えてあげなくちゃ。

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作者名:柚子 | 作成日時:2014年8月20日 21時

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