【妖の森】カルミア、僕が嘘をついた日。【派生作品】 (ページ7)

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じゅういちがつのふつかページ7

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＿＿死者の日

…だから、でしょうか？

家が冷たいのは。ご飯に味がないのは。
二人がこんなに欲汚いのは。

だとして、どうしたらいいのでしょう。
だって、僕にはおかあさましかいません。
それに彼女も貧乏だっただけで、本当は優しい人だったのかもしれません。
たまたま僕の耳の可能性に気がついただけ、とか。
だって、僕の耳で｢得たはずのお金｣でご飯を作って、それをおかあさまは勿論、僕も食べていますから。

結局耳を売り払い、得したのは自分も変わり無い。そう思うと煮えたぎったおかあさまへの憎しみなどが消えていくようでした。

今後を考えながら歩き回っているうち、開きっぱなしのタンスに気がつきました。おかあさまの服や雑貨が入っているタンスです。質素なもんぺあたりが入っているのだろう、そう思って覗くまででした。

そしたら

目に入るのは数々の指の複製。美しい指輪、何をどう使うかも分からないたくさんの化粧道具。そして、

そして一番上に、日記帳らしきものが無造作に置かれておりました。おかあさまの、字。

嫌な予感がしたのに、いつの間にか僕の手には日記帳があり、パラパラとページを括っておりました。