そのじゅうはち ページ20
「今日改めて思ったんだけど…やっぱり僕たちだって好きだもん。ここは譲れそうにないよ。」
そう言って、乱はにやりと不敵な笑みを浮かべた。
…個人的に、はやくその右手に持ってる私の服を渡して欲しいんだけどなぁ。
そんなこと言える空気じゃない、っぽい。
「…そうだね。いくら兄弟と言えど、」
「俺もAのこと、ばり好いとーよ！
俺のとこ嫁に来たらええたい！」
突然扉が開いて、博多がそうドヤ顔をして叫んだ。
後ろには、粟田口の短刀がたくさん…
「僕も、恋仲になるのであればAさんがいいです。」
「どこまででもご一緒します！
ぜひ僕と…」
「オ、オレも候補に入れといてくれていいからな！」
「…過去の記憶なんていらない。
好きだ。俺と、結納してくれないか。」
「好き」「おおっ！鳴狐がしゃべりましたよA殿！！ぜひともこの鳴狐を婿にしていただきたいですなぁ！」
やんややんやと言いながら、何人もがいっきに私に詰め寄ってきた。
え、なにこれこわい。
粟田口兄弟からのプロポーズ…これは夢なのかな？
「え…
いや、私…別に結納とか興味ないから。他をあたってくれないかな？」
この中から一人だけなんて選べる気がしない。
そもそも選べるわけがないのだ。
「えー！？Aちゃんつれないなぁ。
ね、ボクと乱れたくない？」
腕に巻きつくようにして、ぎゅーっと乱は絡みついてくる。
…女の子っぽい甘い匂いがする。
そんなことより、服がとても気になるんだけどな！！
「…う、ううん。
みんな、私はそういうお嫁さんとかできないから…他の可愛い人を探してね。」
どうしていいかわからなくなって、乱の腕から服をサッと取って出口まで全力で駆けた。
「あっ。べ、別にみんなが嫌いなわけじゃないから…うん。」
そう言い残して、足早に自室へと向かうことにした。
…
みんな結納に興味津々みたい。
興味本意で言ってるだけだろうけど、本当に感違いしてしまいそう。
ちゃんとしなきゃ、な。
部屋に戻って服に着替え、落ち着くために縁側で庭を眺める。
精神統一、精神統一……！！
「にゃー」
猫の鳴き声が聞こえ、バッと下を向く。
やはり、そこには三毛猫がいた。
「久しぶりだにゃー。んんー、ふかふかぁ。」
抱き上げて、もふもふするだけで頬が緩む。
ああ…
結納するなら、猫とがいいなぁ。
▼第１章 完▼
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朝霧あさぎ(プロフ) - たちばな ふじな＠pixivしてます。さん» こちらこそありがとうございます！楽しみに待たせていただきますね！ (2016年6月13日 21時) (
レス) id: 01c937cf69 (このIDを非表示/違反報告)
たちばな ふじな＠pixivしてます。 - はい！ありがとうございます！ (2016年6月12日 23時) (レス) id: 9006398e9b (このIDを非表示/違反報告)
朝霧あさぎ(プロフ) - たちばな ふじな＠pixivしてます。さん» 大丈夫ですよ。むしろありがたいです…！！どうぞご自由に書いてやってください！ (2016年6月12日 22時) (レス) id: 01c937cf69 (このIDを非表示/違反報告)
たちばな ふじな＠pixivしてます。 - イメ画を描いてそのイラストをpixivに載せたいのですがよろしいでしょうか?初めて読んでここまでハマったのがこの作品なのでとても描いてみたいのですが・・・pixivではこの名前でやっております。 (2016年6月12日 3時) (レス) id: 9006398e9b (このIDを非表示/違反報告)
朝霧あさぎ(プロフ) - 沫閑さん» 本当ですね！読み直して初めて気づきました‥‥ご指摘ありがとうございました！さっそく修正させていただきました。 (2016年4月7日 15時) (レス) id: 01c937cf69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝霧あさぎ | 作者ホームページ：
作成日時：2016年1月1日 20時
