そのじゅうさん ページ15
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平野くんが倒した湯のみのお茶が私の服にかかって、
服を洗濯する間にお風呂につかっていたら、向こうの脱衣場に続く扉が開く音がして、ひどく驚いた。
ここは女湯で、女子っていったら私だけのはずなのに。
「誰ですか?」
その声は、少しだけ震えた。
侵入者なら成敗するべきだけど、刀は部屋に置いてきてしまったのだ。
とにかく、何者か見ておく必要があるかも…
私一人といえど、風呂から全裸で脱衣場に移動することに対して抵抗がある私は、いつもミニタオルで体を隠して風呂を出る。
今回はそれに助けられ、私は浴槽から出てゆっくりと脱衣場の扉を開けた。
と、その先の光景に驚きで、声が出せなかった。
「い、いやっ!違うんです。これは、決してそんなつもりでは!」
そう、脱衣場にいたのは、何故か上半身裸の一期さん。
正直ドン引き。
いや、けど前読んだ本だったら一期さんの前の主の…誰だっけ?
その人はアレなアレだったらしいし、影響を受けてた可能性が高い。
「前の主の影響?別にいいけど、程々にね。」
「違うのです!こ、これには深い理由がありまして……!!」
そして、一期さんはつらつらと語り始めた。
「━━と、言うわけです。」
「はぁ、要するに……
''お茶がかかった服を洗うついでにお風呂に入ろうとしたら、看板があって清掃中だから女湯に入れと書いてあり、それに従ってこうなった''
ってこと?」
「はい!理解が早くて助かります。」
そうなると話がまったく変わってくる。
五虎退の謎の言葉とは無関係、ではないはず。
つまり、何らかの意図があってこの謎過ぎる状況へと導いた、ということになる。
……?
こんなことしてあっち側には何か利益あるのかな?
私が思う限り、労力の分の損しかしないはずだけど。
「私もお茶かけられたから、たぶん計画的犯行。
一期さん。反抗作戦、一緒に考えますよ。」
「反抗作戦、ですか?」
「うん。
やられてばっかだと面白くないから。」
個人的に、だけど。
「なるほど。それは一理ありますな。
どこで作戦を練るのですか?」
「お風呂。」
「え!?そ、それはっ。」
「大丈夫。私はタオル巻いて入るから。
反撃乱舞、開始しましょう!」
それこそ苺のように真っ赤な一期さんにそう言ってから、私は再び風呂に戻った。
洗濯が終わるまで何分くらいかな?
急いで作戦を考えないと。
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朝霧あさぎ(プロフ) - たちばな ふじな@pixivしてます。さん» こちらこそありがとうございます!楽しみに待たせていただきますね! (2016年6月13日 21時) (レス) id: 01c937cf69 (このIDを非表示/違反報告)
たちばな ふじな@pixivしてます。 - はい!ありがとうございます! (2016年6月12日 23時) (レス) id: 9006398e9b (このIDを非表示/違反報告)
朝霧あさぎ(プロフ) - たちばな ふじな@pixivしてます。さん» 大丈夫ですよ。むしろありがたいです…!!どうぞご自由に書いてやってください! (2016年6月12日 22時) (レス) id: 01c937cf69 (このIDを非表示/違反報告)
たちばな ふじな@pixivしてます。 - イメ画を描いてそのイラストをpixivに載せたいのですがよろしいでしょうか?初めて読んでここまでハマったのがこの作品なのでとても描いてみたいのですが・・・pixivではこの名前でやっております。 (2016年6月12日 3時) (レス) id: 9006398e9b (このIDを非表示/違反報告)
朝霧あさぎ(プロフ) - 沫閑さん» 本当ですね!読み直して初めて気づきました‥‥ご指摘ありがとうございました!さっそく修正させていただきました。 (2016年4月7日 15時) (レス) id: 01c937cf69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝霧あさぎ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年1月1日 20時