2 *回想 ページ6
・
『…どういうこと、何が、あった、の』
息も絶え絶えに話す横尾さんの言葉に
返せる言葉も無く、
ただぼんやりと見つめ返す。
すると、横尾さんの後ろをすり抜けて
玉がみつのいる部屋の扉を開けた。
『…っ、たま…!』
玉を追う形で部屋の中に入ると、
みんなの息がヒュッと止まる音がした。
呆然と立ち尽くす玉の背中の向こうには
さっき見た時から1ミリも動かず横たわる、
みつの姿。
『みつ…?』
しん、とした空間の中で、玉の声だけがやけに響く。
そして、横尾さんの震える手が
ゆっくりと
みつの頬に触れた。
その、スローモーションのような光景を
オレはただじっと見つめながら
昔見た映画にこんなシーンあったな、と
そんな場違いな事を考えていた。
その後のことは、断片的にしか思い出せないけれど
“藤ヶ谷はまだ仕事中だから、この事は伝えていない”
“今後のスケジュールのことは未定。しばらくはグループでの活動は中止になると思っていてほしい”
たぶん、そんな類のことをマネージャーが話しているのを
頭の片隅で聞いた気がする。
『…太輔、仕事抜けられないんですか』
横尾さんの問いかけに、
マネージャーは困った顔をして『仕事ですから』と答えた。
_“こんな時まで仕事優先かよ”
一瞬、怒りが込み上げたけど
でもそんな怒りすら、
無意味だって気付いて全身の力が抜けていく。
あぁ、眠いな…
それに頭も痛い。
身体が鉛のように重くて、上手く動かせないんだ
少しだけでいい、眠りたい。
大丈夫
軽く目を閉じれば
悪夢は消えて、
きっとまた、
大好きなあの場所に帰れる_
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mini7(プロフ) - 北斗七星さん、はじめまして!コメント頂いていたのに気付かず、すっかりお返事が遅れてしまってすみません( ; ; ) 優しいコメントに癒されました♪ありがとうございます!まだまだ長くなりそうな本作ですが、今後も読んで頂けたら嬉しいです♪♪ (2017年8月4日 12時) (レス) id: ae4bbeb56a (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - はじめまして。久しぶりに感動するお話に出会いました冒頭が涙が止まらずなかなか進まなかったのですがこのあとどうなっていくのか楽しみに読ませていただきたいと思います。まだ継続中ということなので無理せず更新頑張ってください(*´ー`*) (2017年6月28日 16時) (レス) id: f11e66082c (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - おかゆ×ももさん» おかゆ×ももサン、ありがとうございます! ももさんのコメントに、むしろ私がウルッときちゃいました…(;_;) 私の拙い文章から色んな事を感じ取って下さって、こんなに嬉しいことはありません!(;_;) 第2章の方も、どうぞ宜しくお願いします♪ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - maasanさん» maasanさん、コメントありがとうございます!楽しんで頂けて光栄です(*^_^*) なかなか定期的に更新出来ず、お待たせしてしまってばかりですが、第2章の方も大事に書き進めていきますので、どうぞ見守っていて下さいね♪ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ×もも(プロフ) - 悲しい感じのお話だけど、Kis-My-Ft2の絆とか、大切なものを失う辛さ、すべての当たり前だと思っていることが、確率の高い奇跡なんだってことに改めて気づきました。とても感動したし、寝なきゃいけないのに、つい一気読みしてしまいました…。続編楽しみに待ってます! (2017年4月2日 0時) (レス) id: 5fc692a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2017年1月15日 22時