T ページ33
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「…中居さん」
『あ?』
「みつは…何か悩んでたんですかね」
ぽつり、無意識に呟くと
煙の行く先を追っていた目が、ゆっくりとこちらに向けられる。
その瞳は強く、全てを受け止めてくれるような温かさに、俺の弱い心がじわじわと顔を出した。
「…あの人、全然そういうこと言わなかったから。ガヤもそうだけど。
嫌だとか辛いとか、そういうこと、俺らの前では全然、」
…違うか、
言わなかったんじゃなくて、“言えなかった” んだよな。
視線を元に戻した中居さんが、再度タバコを口に含み
深く、自分の肺の動きを確かめるように煙を吸う。
「…てか、言えないですよね! だって俺、こんなだし、それに」
何が言いたいんだ、俺は。
こんな話をして、慰めの言葉の一つでも期待してるのか。
それとも_
『あいつはさ、』
長い長い沈黙のあと、中居さんが口を開く。
まるで世間話するみたいな声のトーンからは続く言葉を予想出来ず、変に体が強張った。
『あいつは、バカだけど、そーゆうバカとは違うだろ』
「……」
『自分の人生を投げ出すような、そーゆうバカとは、違うだろ。』
不器用な言葉が、
時間をかけてじわりじわりと体に馴染んでいく。
中居さんは、それ以上何も言わなかった。
慰めの言葉も励ましの言葉も言わなかった。
可哀想ぶった顔もしなかった。
それが、俺には何よりも嬉しかった。
タバコの煙で器用に作った輪っかがプカプカ浮かぶのをぼんやりとながめていると、
遠くから俺を呼ぶ声がした。
_『裕太!』
振り返ると、駆け寄って来たワッターが隣に座る中居さんに気付いてペコリと頭を下げる。
『裕太、みんなで、みつのお母さんに挨拶に行こう』
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mini7(プロフ) - 北斗七星さん、はじめまして!コメント頂いていたのに気付かず、すっかりお返事が遅れてしまってすみません( ; ; ) 優しいコメントに癒されました♪ありがとうございます!まだまだ長くなりそうな本作ですが、今後も読んで頂けたら嬉しいです♪♪ (2017年8月4日 12時) (レス) id: ae4bbeb56a (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - はじめまして。久しぶりに感動するお話に出会いました冒頭が涙が止まらずなかなか進まなかったのですがこのあとどうなっていくのか楽しみに読ませていただきたいと思います。まだ継続中ということなので無理せず更新頑張ってください(*´ー`*) (2017年6月28日 16時) (レス) id: f11e66082c (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - おかゆ×ももさん» おかゆ×ももサン、ありがとうございます! ももさんのコメントに、むしろ私がウルッときちゃいました…(;_;) 私の拙い文章から色んな事を感じ取って下さって、こんなに嬉しいことはありません!(;_;) 第2章の方も、どうぞ宜しくお願いします♪ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - maasanさん» maasanさん、コメントありがとうございます!楽しんで頂けて光栄です(*^_^*) なかなか定期的に更新出来ず、お待たせしてしまってばかりですが、第2章の方も大事に書き進めていきますので、どうぞ見守っていて下さいね♪ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ×もも(プロフ) - 悲しい感じのお話だけど、Kis-My-Ft2の絆とか、大切なものを失う辛さ、すべての当たり前だと思っていることが、確率の高い奇跡なんだってことに改めて気づきました。とても感動したし、寝なきゃいけないのに、つい一気読みしてしまいました…。続編楽しみに待ってます! (2017年4月2日 0時) (レス) id: 5fc692a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2017年1月15日 22時