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2 *回想 ページ25





トーク部分の収録が終わったところで

曲披露のためのセットチェンジが行われるからと、オレ達は一旦前室に戻された。





モニターを見てると、この後の歌収録のためにスタジオ入りするファンの子達の姿。



みんなの目に、6人になったキスマイはどう映るのかな。






すんなり受け入れられたとしても、

拒否されたとしても、




どちらにしても辛いのだから

本格的にもう、自分達がどうしたいのかわからない。






着々と準備されるステージに、二つの椅子が並んで置かれて

その一方に

ギターがそっと立てかけられる。








…あれ?

あれ、ガヤのじゃない。

あれは_








『…わざわざあんなもんまで借りてきたんだ』








背後から苛立った玉の声が聞こえて振り返る。

その顔には、ありありと浮かぶ嫌悪感。








_ああ、そうか。
あれは、みつのギターだ





弾き語りするガヤの隣に、みつのギター。

いかにも、大人たちが喜びそうな演出じゃないか。







過剰なお涙頂戴演出は、オレ達にとってはただただ不快なだけだった。









_コンコンッ



『失礼します。まもなく藤ヶ谷さんの歌収録始めますが、皆さんも一緒に向かわれますか?』




スタッフさんが、扉から覗き込むようにして声をかける。







『_はい、行きます』


『俺、いいや。ここでモニター見てる』






横尾さんが立ち上がると同時に、
玉はドカッとソファーに腰を下ろした。






『たま…』





困ったように、眉を下げる宮田に
玉は顔を上げようともしない。





『…裕太、行こ』


『だからいいって。俺らの出番に間に合えば、別にいいでしょ』


『裕太』





“みんなで行くんだ” と、

その姿勢を崩さず真っ直ぐ見つめる横尾さんの視線に

怯んだ玉が、視線を揺らす。





『ッ…』





何も言わず、立ち上がる玉に続いて5人一緒にスタジオへ向かう。






オレ達はこれから、何のために踊るんだろう。

誰のために、歌うんだろう。




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mini7(プロフ) - 北斗七星さん、はじめまして!コメント頂いていたのに気付かず、すっかりお返事が遅れてしまってすみません( ; ; ) 優しいコメントに癒されました♪ありがとうございます!まだまだ長くなりそうな本作ですが、今後も読んで頂けたら嬉しいです♪♪ (2017年8月4日 12時) (レス) id: ae4bbeb56a (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - はじめまして。久しぶりに感動するお話に出会いました冒頭が涙が止まらずなかなか進まなかったのですがこのあとどうなっていくのか楽しみに読ませていただきたいと思います。まだ継続中ということなので無理せず更新頑張ってください(*´ー`*) (2017年6月28日 16時) (レス) id: f11e66082c (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - おかゆ×ももさん» おかゆ×ももサン、ありがとうございます! ももさんのコメントに、むしろ私がウルッときちゃいました…(;_;) 私の拙い文章から色んな事を感じ取って下さって、こんなに嬉しいことはありません!(;_;) 第2章の方も、どうぞ宜しくお願いします♪ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - maasanさん» maasanさん、コメントありがとうございます!楽しんで頂けて光栄です(*^_^*) なかなか定期的に更新出来ず、お待たせしてしまってばかりですが、第2章の方も大事に書き進めていきますので、どうぞ見守っていて下さいね♪ (2017年4月2日 16時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ×もも(プロフ) - 悲しい感じのお話だけど、Kis-My-Ft2の絆とか、大切なものを失う辛さ、すべての当たり前だと思っていることが、確率の高い奇跡なんだってことに改めて気づきました。とても感動したし、寝なきゃいけないのに、つい一気読みしてしまいました…。続編楽しみに待ってます! (2017年4月2日 0時) (レス) id: 5fc692a4f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini7 | 作成日時:2017年1月15日 22時

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