154 ページ9
《二階堂side》
今日はみつが退院する前の最後の検査の日。
偶然なのか、マネージャーが気を利かせてくれたのか、メンバーは全員午後まで仕事はなかったから、みんなで検査結果を聞くことにした。
みつは『ガキじゃねーんだから、1人で大丈夫だよ!』って言ったけど、みつのお母さんは『ほんと仲良しねー』って笑ってた。
みんなで集合して病院に着くと、いつもは静かな受付が、どこか騒がしい。
みつを担当してくれてる看護婦さんがオレらをみつけて、『あっ!』と声を上げる。
『みなさん!北山さん見ませんでしたか?』
「えっ…」
『まさか…いないんですか?』
ワッターが聞き返すと、看護婦さんは困ったように顔をしかめた。
『さっき男性の方が北山さんにって小包みを持って来られて…。それを渡したら、急に病室を飛び出して行っちゃったんです。
これから最後の検査があるのに…』
ざわっと、全身の毛が逆立つような不安に襲われて、とっさに看護婦さんの腕を掴んだ。
「男性って…名前は!?どんな人でした!?」
『えっ…?30代後半くらいの、背が高くてすごく感じの良い方でしたよ?たしか…ソネ…さん??』
弾けるように体が動いて外へと駆け出すと、背後からガヤの声が響く。
『_っ待て!ニカ!!』
「っんでだよ!!早く行かないとまた…っ!!」
ゆっくりと、ガヤが近寄ってオレの手を握る。
あ…、
オレの手…、震えてるんだ
『ニカ…あいつはもう、1人で無茶したりしないよ。自分から行ったなら、きっと、何か考えがあって行ったんだ。信じて、待とう。』
「でもっ…!!」
真っ直ぐなガヤの目を見ると、それ以上は何も言えなかった。
本人のいない病室で、6人ベットを囲んで待つ。
たった数分の時間が、怖いくらいに長く感じた。
・・・
855人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mini7(プロフ) - kkeeさん、コメントありがとうございます(=´∀`)♪ 素敵なお話だなんて…(。-_-。)泣 嬉し過ぎます! みっくんsideの方は、打って変わって辛いシーンが続きますが、こちらも見守ってもらえると嬉しいです!今後ともよろしくお願いします♪ (2016年8月27日 23時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
kkee(プロフ) - mini7さん、こんばんは。胸がきゅうっとしながら感動しながら読ませて貰いました。素敵なお話をありがとうございます。みっくんサイドのお話もいよいよ…となり目が放せなくて。どちらもほんとに入り込んでしまいました。想いが通じて良かったです。 (2016年8月27日 22時) (レス) id: 0990e7aceb (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - かりんさん!( ´ ▽ ` )♪コメントありがとうございます!!喜んでもらえて私も嬉しいです♪♪ずっと読んで下さってありがとうございます♪ そろそろ2人も素直になりますよ…!最後まで、どうぞお楽しみ下さい♪ (2016年8月27日 21時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 番外編嬉しいです!でも早速みっくんピンチ( ;´Д`)2人の素直に寄り添いたいのに気を使って離れてしまう感じが凄く2人らしくて切ないです (2016年8月27日 11時) (レス) id: 6394949c3a (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - MONEさんっ!お久しぶりです!!もちろん覚えてますよー(=´∀`)人(´∀`=) すっかりお休みしちゃってたんですが、待ってて下さってありがとうございます(。-_-。) 番外編はこのままラストまでノンストップで行きたいと思ってますので、是非お付き合い下さい♪ (2016年8月26日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mini7 | 作成日時:2016年5月1日 17時