君の背中に伝えたかった想いは ＊4＊

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『は…？なに言って…』


「7人で活動を続けるか、一度解散するか。
俺らに残されてるのは、その2択だけです」


『はっ…驚いたな…。
君はもう少し賢いと思ってたよ。
君たちは、グループでやってるから仕事があるんだよ。個人になっても同じだけの需要があるって、本気で思ってるの？
まさか、再結成できるとでも？』





クスクスと小馬鹿にしたような笑い声が静かな室内に不快に響く。


それでも、メンバーの顔を一人一人思い浮かべれば、以前のように黒い気持ちに支配される事は無かった。





「そうですね…きっと、大半の人はそう言って笑うでしょうね」





＿いいさ。好きなだけ、笑えばいい





「でも、俺らはやりますよ」





＿だって、俺らなら出来る。





「いつかまた、7人でステージに立ちます」




＿絶対に諦めない。今までだって、ずっとそうやって一緒に歩んで来たんだ。




「必ず。」




今度は俺の方から真っ直ぐに見据えると、張り付いたような笑顔が僅かに乱れた。



理解が出来ないといった様子で言葉を詰まらせる姿は、大きな力で俺たちを苦しめ続けたその人とはまるで別人のように小さい。








なんだ＿


この人が恐ろしく見えてたのは、俺の中の弱さのせいだ。








ふっと笑みが零れて、曽根さんの肩がピクリとうごく。




「…ひとつ、聞いてもいいですか。」




ゆっくりと、俺の方を向いた目が揺れる。




「あの日…あなたは本当に俺に殺されても良いって思ってましたよね？脅しなんかじゃなく、あなたの目は本気で、“殺してくれ”って、俺に言ってた。違いますか？」


『……変なこと言うね。どうして、そう思うの？』


「わかりません…。でも、とても苦しそうに見えたから。あなた自身も、自分ではどうしようもない闇に飲み込まれた一人なんじゃないかって、思ったんです」


『はは…、考え過ぎじゃない…？』






それ以上、曽根さんは何も話さず、目も合わさず、その場を後にする俺を引き止めることも無かった。


ただ、痛いくらいに握り締めた両手が、やけに目に焼き付いた。




・・・

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