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《宮田side》
『ガヤたち、どうしてるかねー』
ソファーでクッションを抱き締めてゴロゴロと落ち着かない様子のタマが言う。
「そうだねぇ…」
『あの人たち、自分の事となると途端に不器用だからなぁ…』
「確かにねー…」
『まさか、ここまで来て、やっぱりお互いに気持ち伝えませんとか無いよね…?』
「うーん…どうだろう…」
『いや、あり得るな…。そうなったらもう、2人をどっか無人島とかに閉じ込めるしか…』
「ぷっ…」
心配のあまり、ついにはとんでもないことを言い出したタマが可愛くて思わず吹き出すと、ジロリ、と冷たい視線が俺を刺す。
『……。』
「いや、うそ、ごめんなさい。」
ソファーから飛び上がったタマが、とんでもないスピードで向かってきて、あっという間にプロレス技をかけられる。
「いたいいたい!ごめんって!ごめんなさい!!」
『俺を笑うなんて、いい度胸してるじゃねーか。ああ?』
いや、そんな大昔のヤンキードラマみたいなセリフ…
でも、そんな事を言ったらまた怒られるから、黙っておく。
『…宮田はさ、心配じゃないの?』
ひとしきりプロレス技をかけて、満足したタマが、俺の上に跨ったままポツリと呟く。
「はぁはぁ…。え?」
『みつとガヤのこと。もしかして2人はさ、気持ちは通じても色んなリスクを考えて一緒にいることを選ばないかもしれない。
もし、今回の俺らのことで余計にそう思わせてしまうんだとしたら、俺…』
体の触れているところから、タマの不安が伝わってくる。
そうだよね…
大事な2人だからこそ、誰よりも幸せになって欲しいよね
「…キタミツ達はさ、大丈夫だよ。」
『え…?』
迷子みたいに不安な目をしたタマの目が、俺を捉える。
「“大事な人は何があっても離すな”って、俺らに教えてくれたのはキタミツ達でしょ。
だから、2人は絶対に大丈夫。きっと、通じ合えるよ。」
少し震えるその手を両手でぎゅっと握ると、タマはふわりと笑った。
『…お前、たまにマトモなこと言うからむかつく。』
直後、拗ねたように口を尖らせるタマは、素直じゃないけどやっぱり可愛い。
_ねぇ、キタミツ。
今度はキタミツが、大事な人をちゃんと捕まえてね。
ふと窓の向こうに見えた綺麗に澄んだ青空は、今日という日にぴったりだって、思った。
・・・
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mini7(プロフ) - kkeeさん、コメントありがとうございます(=´∀`)♪ 素敵なお話だなんて…(。-_-。)泣 嬉し過ぎます! みっくんsideの方は、打って変わって辛いシーンが続きますが、こちらも見守ってもらえると嬉しいです!今後ともよろしくお願いします♪ (2016年8月27日 23時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
kkee(プロフ) - mini7さん、こんばんは。胸がきゅうっとしながら感動しながら読ませて貰いました。素敵なお話をありがとうございます。みっくんサイドのお話もいよいよ…となり目が放せなくて。どちらもほんとに入り込んでしまいました。想いが通じて良かったです。 (2016年8月27日 22時) (レス) id: 0990e7aceb (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - かりんさん!( ´ ▽ ` )♪コメントありがとうございます!!喜んでもらえて私も嬉しいです♪♪ずっと読んで下さってありがとうございます♪ そろそろ2人も素直になりますよ…!最後まで、どうぞお楽しみ下さい♪ (2016年8月27日 21時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 番外編嬉しいです!でも早速みっくんピンチ( ;´Д`)2人の素直に寄り添いたいのに気を使って離れてしまう感じが凄く2人らしくて切ないです (2016年8月27日 11時) (レス) id: 6394949c3a (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - MONEさんっ!お久しぶりです!!もちろん覚えてますよー(=´∀`)人(´∀`=) すっかりお休みしちゃってたんですが、待ってて下さってありがとうございます(。-_-。) 番外編はこのままラストまでノンストップで行きたいと思ってますので、是非お付き合い下さい♪ (2016年8月26日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2016年5月1日 17時