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《二階堂side》
しばらくして病室へ戻ると、みつは大きな目にうっすらと水の膜を張って、頬や鼻はほんのり赤くて…
すぐに、泣いたんだってわかった。
でもその表情は、さっきまでとは違ってどこか安心したように柔らかい。
傍には、ガヤが支え合うようにそっと寄り添っていた。
よかった…
みつはやっと、素直に泣ける場所を見つけたんだね。
それが自分じゃないってことに、少しだけ胸がチクリと痛んだけれど、
それよりも嬉しさの方が大きくて、ふっと肩の力が抜けた。
_『ごめん、みんな…おれ…』
言いにくそうに顔を歪めたみつが口を開くと、全てを察したタマがその体ごとぎゅっと包み込んだ。
『バカ…!みつの…バカッ…!』
『ん…ごめん…』
『ううんっ…ちがう、全部…全部俺のせいっ…』
瞬間、隣にいる宮田が強く拳を握ったのがわかった。
そっか…
きっと二人とも、この一週間ずっと、自分自身を責め続けて来たんだよね
『…っ違うよ!たま、たま達のせいじゃない。おれが勝手にやったことだ』
『…でもっ…!!』
『でもね…、おれ間違ってた。
全部ひとりで何とかしようって…
おれには、こんなにも頼もしい仲間がいつも傍にいたのにね…?』
眉をハの字にしたみつがふわっと笑うと、タマの顔がぎゅっと歪んでその目からはポロポロと雨のように涙が溢れた。
自分より一回りおおきな背中をポンポンと優しく叩きながら、みつがゆっくりと言葉を続ける。
・・・
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mini7(プロフ) - kkeeさん、コメントありがとうございます(=´∀`)♪ 素敵なお話だなんて…(。-_-。)泣 嬉し過ぎます! みっくんsideの方は、打って変わって辛いシーンが続きますが、こちらも見守ってもらえると嬉しいです!今後ともよろしくお願いします♪ (2016年8月27日 23時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
kkee(プロフ) - mini7さん、こんばんは。胸がきゅうっとしながら感動しながら読ませて貰いました。素敵なお話をありがとうございます。みっくんサイドのお話もいよいよ…となり目が放せなくて。どちらもほんとに入り込んでしまいました。想いが通じて良かったです。 (2016年8月27日 22時) (レス) id: 0990e7aceb (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - かりんさん!( ´ ▽ ` )♪コメントありがとうございます!!喜んでもらえて私も嬉しいです♪♪ずっと読んで下さってありがとうございます♪ そろそろ2人も素直になりますよ…!最後まで、どうぞお楽しみ下さい♪ (2016年8月27日 21時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 番外編嬉しいです!でも早速みっくんピンチ( ;´Д`)2人の素直に寄り添いたいのに気を使って離れてしまう感じが凄く2人らしくて切ないです (2016年8月27日 11時) (レス) id: 6394949c3a (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - MONEさんっ!お久しぶりです!!もちろん覚えてますよー(=´∀`)人(´∀`=) すっかりお休みしちゃってたんですが、待ってて下さってありがとうございます(。-_-。) 番外編はこのままラストまでノンストップで行きたいと思ってますので、是非お付き合い下さい♪ (2016年8月26日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2016年5月1日 17時