君の背中に伝えたかった想いは

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＿「北山…？」




つい声が出てたことにはっとして、口を塞ぐ。

探していたはずなのに、いざ見つかるとどうしていいのかわからない。


戸惑っている俺を余所に、
ピクリとも反応しないその背中。





人違い…？


でもあれは確かに＿




ゆっくり近付いて遠くからそっと顔を覗き込むと、スヤスヤと気持ち良さそうに寝息を立てる北山の姿が目に入った。





「マジか…」




なんでこんなところで寝てるんだよ…




そこは「裏庭」といえば聞こえはいいけど、
何の手入れもされていない草や木が生い茂って、昔なにかの撮影で使ったんであろう小道具や何かが雑多に並べられていた。




とりあえず起こそう…


そう思って、肩に手を伸ばした瞬間＿




夕焼け色に染まってキラキラ光る北山の柔らかい髪が、

春の風に吹かれてフワリと揺れた。









−トクン…




急に胸が詰まるのを感じて、
伸ばしかけた手が空中で止まる



揺れる髪の隙間から覗く、子供みたいな寝顔。



とても穏やかな表情をしているのに、
俺にはなぜだか儚く見えて





“目を離したら消えてしまうんじゃないか”





って…

固まったまま、いつまでもそこを動けないでいた。



・・

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