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《横尾side》
しばらくして、落ち着きを取り戻したみつを車に乗せ込み、エンジンをかける。
助手席にぐったりともたれて目を瞑るその顔は真っ青で、やっぱり無理矢理にでも病院に連れてくべきなんじゃないかと迷いが生じる。
でも、これで無理に病院なんて連れてったところで大人しく診察を受けてくれるとは到底思えなかった。
『よこーさん…』
掠れた声で俺を呼ぶ。
「ん…?どうした?辛い?」
『……このこと…あいつらには言わないで…。』
こんな時にまで、みつの頭にあるのはメンバーの事なんだね。
「…ん。わかってるよ…。」
俺の返事に安心したように微笑むと、あっという間に眠りについた。
眉間にシワを寄せて苦しそうに眠るみつを、一刻も早く休ませてあげたくて、俺は今までにないくらいアクセルを踏み込んだ。
家に着いて、みつの後を追う形で玄関からリビングへと進む。
みつの家に来るなんて、何年ぶりだろう。
その部屋は俺が知ってる時代からはずいぶん落ち着いて、大人びた印象になっていた。
『よこーさん、ベット使っていいよ。俺ソファーで寝るから。』
「…なに言ってるの。病人のくせに。俺のことは気にしなくていいから、早く寝て。」
部屋着に着替えたみつの腕を引いて、寝室へと促す。
吐き気は収まったものの、やはりまだかなり辛いのだろう。
ぼーっと視点の定まらない目で布団に潜り込む。
「一応熱測っとこうか。体温計どこ?」
『大丈夫だって…』
この後に及んでまだそんな事を言うみつを、無言で睨みつける。
『そこの棚の1番上です…』
_ピピッ…
みつから体温計を奪い取って、その表示を目をやる。
38.2度
やっぱり結構高いな…
それにけっこう吐いたし、脱水になっちゃうかも
「みつ、水分取ったほういいんだけど、飲める…?」
少しでも飲みやすいよう、白湯にレモンを絞ったものをみつのところへ持っていく。
『ふふっ…』
カップを受け取ったみつが、照れ臭そうに笑った。
「ん?なぁに?」
『よこーさん、ほんとに母ちゃんみたい…』
カップを両手で持って、ちょっと赤らんだ頬でちびちび白湯を飲む姿は、30手前とは思えない可愛さで…
こんな姿、太輔がみたらぶっ倒れるな…なんてことを思った。
・・・
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mini7(プロフ) - み。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!投票済と言われても、星を押して下さるその気持ちだけで、胸がいっぱいです(T_T)これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2016年2月17日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - お話の書き方が物凄くお上手でとても面白いです!更新される度に星押してます!(投票済ですって毎回言われますが笑) (2016年2月16日 3時) (レス) id: f318d2817d (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» 大丈夫ですよ〜♪藤北ちゃんはこうやって大きくなっていくんですから♪続き、まってます! (2016年2月5日 19時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - せりさん» せりさん、ありがとうございます!藤ヶ谷さんちょっと嫌な役回りをさせてしまっています…。ファンの方が気を悪くされないと良いのですが…汗(・_・; 今後ともよろしくお願いします! (2016年2月5日 14時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» たいぴー、すごい発言でしたね…。みっくんとたいぴー、なかなおりはやくしてほしいです!続き、まってます! (2016年2月3日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2016年1月27日 0時