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《千賀side》
「“迷惑かけないから”なんて、そんな赤の他人みたいなこと言わないで…。
メンバーなんだから、たまには迷惑ぐらいかけてよ。
オレもう子供じゃないよ?
みつより背も高いし、力だってあるし、みつ一人支えるくらい余裕なんだから…っ」
一気にまくし立てる俺を、みつが驚いたように見る。
言ってて次第に目頭が熱くなってきた。
泣くな…
こうやってすぐ泣くから、いつまでも子供扱いされちゃうんだ。
『…そうだよな。
出会った頃はさ、まだお前も二階堂もこーんな小さいガキだったのに、もうこんなにデカくなったんだもんな。』
過去を愛しむように、みつの表現が柔らかくなる。
『おれ、お前が思ってるよりもお前らのこと頼りにしてるよ?
バラエティだって、今回のライブに関してだって。
お前の振り付けはさ、メンバーとファンのことを誰よりも理解してるぶん、一番キスマイらしい魅力が詰まってるんだよ。
それはおれにも、他の振付師にも出来ないことだから…』
その言葉に、胸の奥がぐっと熱くなるのを感じる。
そんな風に思ってたなんて、全然知らなかった…
だっていつもは、オレが作った振付けを
「どう?」って聞いても、
『おーいいんじゃん?』
くらいしか言ってくれないのに。
不意打ちでそんな事言うなんて、ズルいよ…。
俯いた俺の頭をみつがポンポンって優しく撫でて、立ち上がる。
顔を上げて目に入ったその背中は、痛々しいくらいに頼もしくて、強くて…
やっぱりオレは一生みつには敵わないなって思い知らされる。
_『いっこ頼んでもいい?』
廊下を歩き出したみつが、クルッと振り返って言う。
「…?」
『明日、付き合って。練習。』
「…え…」
『自主練!お前の振付けんとこやるから!』
「…っ…うん!!!」
勢いよく返事したオレに、みつがふふって笑う。
嬉しくて嬉しくて、自然と顔が綻んだ。
オレってほんとに単純だな…
ほんのちょっと、みつに頼ってもらえた事が
こんなにも嬉しいなんて。
その後オレは、レッスン室にこもって自分の振付けをいつも以上に念入りに確認した。
何でもいいから、みつの役に立ちたかった。
自主練は、警備の人に部屋を追い出されるまで、続いた。
・・・
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mini7(プロフ) - み。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!投票済と言われても、星を押して下さるその気持ちだけで、胸がいっぱいです(T_T)これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2016年2月17日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - お話の書き方が物凄くお上手でとても面白いです!更新される度に星押してます!(投票済ですって毎回言われますが笑) (2016年2月16日 3時) (レス) id: f318d2817d (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» 大丈夫ですよ〜♪藤北ちゃんはこうやって大きくなっていくんですから♪続き、まってます! (2016年2月5日 19時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - せりさん» せりさん、ありがとうございます!藤ヶ谷さんちょっと嫌な役回りをさせてしまっています…。ファンの方が気を悪くされないと良いのですが…汗(・_・; 今後ともよろしくお願いします! (2016年2月5日 14時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» たいぴー、すごい発言でしたね…。みっくんとたいぴー、なかなおりはやくしてほしいです!続き、まってます! (2016年2月3日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2016年1月27日 0時