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_「っ…痛っ…てぇ…」



次の仕事へ向かった先生を見送って、俺もそろそろ帰ろうかとギターケースを持ち上げた瞬間

左手に鋭い痛みを感じた。


弾いてるときは夢中で気づかなかったけど、毎日の練習で出来たマメが盛大に潰れていた。




「うわ…最悪…」




1人そう呟いて潰れたマメを忌々しく見つめていると、どこからか俺を呼ぶ声が聞こえた。




『ーあっ!いたっ!藤ヶ谷さん!』



声がした方を振り向くと、小走りで駆け寄ってくる顔見知りのスタッフさん。

俺の前で立ち止まると、その場でキョロキョロと周りを見渡した。



『…あれ?北山さんどこ行きました?』



不意打ちで出たあいつの名前に、心臓がドキッと跳ねる。




「…いや、北山は今日は来てないですよ?」


動揺を悟られないよう、必死で平静を装う。





『えっ?さっきまでそこで藤ヶ谷さんの演奏聞いてましたよ?』




「……え…?」




スタッフさんの言葉に自分の耳を疑った。



『中入ったらどうですかって声かけたんですけど、“ジャマになっちゃうからここでいいです”っておっしゃって…』




「そ…なんですか…」






すぐ近くにいたんだ…


ついさっきまでここに


俺のギターを聞くため…?







_たったそれだけ。


たったそれだけの事実が、


“俺のこと、少しは気にかけてくれてたのかな”


って


ほのかな期待に変わって胸が熱くなる。







『_あっ!そうそう、はいどうぞ!』


そう言って渡されたのは小さな紙…いや…絆創膏?




「…え?」




『北山さんから藤ヶ谷さんに持ってってあげてって頼まれてたんですけど…いらなかったですか?』



ポカンとしてる俺に、スタッフさんが事の経緯を伝える。





北山が、俺に…?



マメの潰れた左手と、渡された絆創膏を交互に見る。




トクンッと



胸が震えた。






ー“いつも近くに居るからといって、大切な言葉を伝える事を怠けちゃいけないよ?

今日、すぐ隣に居る人が
明日には手の届かないところに行ってしまうことだってあるんだから。”





さっきの先生の言葉が蘇る。





俺はスタッフさんにお礼を言うと、

湧き上がる想いに突き動かされるようにして走り出した。







どうしようもなく、

彼に会いたかった。



・・・

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設定タグ:藤北 , キスマイ , ニカ北   
作品ジャンル:タレント
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mini7(プロフ) - み。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!投票済と言われても、星を押して下さるその気持ちだけで、胸がいっぱいです(T_T)これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2016年2月17日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - お話の書き方が物凄くお上手でとても面白いです!更新される度に星押してます!(投票済ですって毎回言われますが笑) (2016年2月16日 3時) (レス) id: f318d2817d (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» 大丈夫ですよ〜♪藤北ちゃんはこうやって大きくなっていくんですから♪続き、まってます! (2016年2月5日 19時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - せりさん» せりさん、ありがとうございます!藤ヶ谷さんちょっと嫌な役回りをさせてしまっています…。ファンの方が気を悪くされないと良いのですが…汗(・_・; 今後ともよろしくお願いします! (2016年2月5日 14時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» たいぴー、すごい発言でしたね…。みっくんとたいぴー、なかなおりはやくしてほしいです!続き、まってます! (2016年2月3日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini7 | 作成日時:2016年1月27日 0時

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