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《玉森side》
「…俺っ…こわく…て…」
『うん…』
「…嫌な夢…見るんだ…。大事なもの…全部無くなっちゃう夢…」
『うん…』
「だから_…」
それ以上言えなくなった俺に、みつが続ける。
『ねぇ、たま…』
「…?」
『大事なものって…もしかして宮田…?』
驚いて顔を上げた俺を、みつが心配そうな目で見つめる。
「なん…で…」
『ごめん…。最近のふたり見てたら、もしかしてそうかなって…』
みつ…わかってたんだ…
「……ごめんなさい…」
『どうして謝るの?』
「だって、こんなこと…。
しかもみんなにまで内緒で…っ…」
『大丈夫。ちゃんとわかってるよ。
俺らのために、黙っててくれてたんでしょ?』
みつの言葉に、ずっと我慢してきた涙が堰を切ったように溢れ出す。
_怖かったんだ。
だって、もし俺らのことを知ったら
優しいみんなはきっと、それがどんなに迷惑がかかることだとしても、俺らの気持ちを優先してくれるでしょう?
それがグループにとってどんなリスクになるとしても、
きっと守ろうとしてしまうでしょう?
そんなの嫌だったんだ。
“大事な時期に何考えてんだよ!”って、
怒ってくれればまだ気が楽なのに…
うちのメンバーはそういうこと出来ないお人好しばっかりなんだもん。
ただ泣き続ける俺に、みつが言葉を続ける。
『ねぇたま。
よくさー、事務所の偉い人とかが言うじゃん?
“何かを手に入れたいなら、他のもの全部捨てる覚悟で臨みなさい”って。』
その通りだよ…。俺は欲張り過ぎたんだ。
『おれはねー、それ違うと思うんだ。』
「…?」
『何かのために、他のもの全部我慢する必要なんてない。
欲しいものは欲しいって言っていいんだ。
そのぶん、戦えばいいんだから。』
「…っ…でもっ…みんなに迷惑…」
『迷惑ってなに?
たまが大事な人と一緒にいたいって思う事が、迷惑になんてなるわけない。
おれはさ、たまちゃんが戦うなら一緒に戦うよ?』
「…っ」
・・・
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mini7(プロフ) - み。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!投票済と言われても、星を押して下さるその気持ちだけで、胸がいっぱいです(T_T)これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2016年2月17日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - お話の書き方が物凄くお上手でとても面白いです!更新される度に星押してます!(投票済ですって毎回言われますが笑) (2016年2月16日 3時) (レス) id: f318d2817d (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» 大丈夫ですよ〜♪藤北ちゃんはこうやって大きくなっていくんですから♪続き、まってます! (2016年2月5日 19時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - せりさん» せりさん、ありがとうございます!藤ヶ谷さんちょっと嫌な役回りをさせてしまっています…。ファンの方が気を悪くされないと良いのですが…汗(・_・; 今後ともよろしくお願いします! (2016年2月5日 14時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» たいぴー、すごい発言でしたね…。みっくんとたいぴー、なかなおりはやくしてほしいです!続き、まってます! (2016年2月3日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini7 | 作成日時:2016年1月27日 0時