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《玉森side》



ひと気のない廊下をみつと2人で歩く

俺の半歩前を何も言わずゆっくりと歩く、
その俺より一回り小さい背中を見つめる。



わかってるよ

俺のために、あんな嘘ついてくれたんだよね…






_正直、限界だった。


朝から調子の悪かった俺は、楽屋に着いた頃にはもう頭痛と吐き気が酷くて

それでも今日は雑誌の撮影だけだから、
どうにか乗り切れるだろうって

甘く見ていたんだ。



でも、いざ撮影が始まると、強いフラッシュに痛む頭がクラクラして

途中からはもう立っているのがやっとで、
自分が笑えてるのかすらわからなかった。

きっと、みつが連れ出してくれなかったら、
もっともっと色んな人に迷惑をかけてしまっていただろう。





しばらく歩いて、誰もいない休憩場に腰を下ろす。


楽屋に戻るときっとみんな心配して「どうしたの?」って聞くから、

あえてここに連れて来てくれたんだよね?


何も聞かず、ただ傍に居てくれる
そんなみつの優しさがありがたくて、
瞼の裏がじんと熱くなる。


俺とみつ、2人だけの空間に
強張っていた体中の筋肉が、ふっと緩むのを感じた。





ー「…最近…眠れなくて…」



『…うん』



ポツリポツリと話出した俺に、
みつが静かに相槌をうつ。




「ちゃんと寝なくちゃって思えば思うほど、
焦って眠れなくなるんだ…。」


『そっか…。いつから…?』


「たぶん…2週間くらい前…」


『そんなに…』


みつの顔が辛そうに歪む。

ごめん、みつ。
そんな顔しないで…





『何か、思い当たることはあるの…?眠れなくなった原因とか…』


「……」




本当は…原因は自分でわかってるんだ…



でも、言えない。


これだけは、言っちゃいけないんだ…



黙ってしまった俺の背中を、大丈夫だよって言うみたいにポンポンと撫でてくれる。


その手があまりにも優しくて、つい縋ってしまいたくなる。



押し潰されそうな不安を全部ぶちまけて



この出口の見えない暗闇から、みつなら助け出してくれるんじゃないかって_



そんなの、



ただ、みつを苦しめるだけかもしれないのに。






・・・

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設定タグ:藤北 , キスマイ , ニカ北   
作品ジャンル:タレント
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mini7(プロフ) - み。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!投票済と言われても、星を押して下さるその気持ちだけで、胸がいっぱいです(T_T)これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2016年2月17日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - お話の書き方が物凄くお上手でとても面白いです!更新される度に星押してます!(投票済ですって毎回言われますが笑) (2016年2月16日 3時) (レス) id: f318d2817d (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» 大丈夫ですよ〜♪藤北ちゃんはこうやって大きくなっていくんですから♪続き、まってます! (2016年2月5日 19時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - せりさん» せりさん、ありがとうございます!藤ヶ谷さんちょっと嫌な役回りをさせてしまっています…。ファンの方が気を悪くされないと良いのですが…汗(・_・; 今後ともよろしくお願いします! (2016年2月5日 14時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» たいぴー、すごい発言でしたね…。みっくんとたいぴー、なかなおりはやくしてほしいです!続き、まってます! (2016年2月3日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini7 | 作成日時:2016年1月27日 0時

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