11 ページ12
・
そこに現れたのは、俺が今一番会いたくなかった人_
『うぃー!おつかれ!』
いつもの調子で入ってきた北山だけど、
すぐに楽屋の異様な空気に気付いて不思議そうにメンバーの顔を見渡す。
『おはよう、みつ。』
気を使った渉が北山に声をかけた。
『おう!てかどーしたの?何かあった?』
『ん…。
ねぇみつ、ユニット曲の演出変えたの…?』
渉が遠慮がちに資料を手渡す。
『ん…?
あれっ?なんだよーまだ訂正入れなくていいって言ったのに…』
ぶつぶつ言いながら北山が書類に目を落とした。
本当なんだ…
俺は溢れ出そうな苛立ちを抑えるように、
じっと俯いた。
『…で、藤ヶ谷的にはどう?』
「……は?」
『だから、新しいプラン!
曽根さんと話しててこっちのがガラッと雰囲気変わっていいかなーってなったんだけど…』
_どうも何も、あの人と相談して決めたんでしょ?
「…別に、いいんじゃない?」
絞り出すように出した声は、自分の声じゃないみたいに掠れていた。
『え?』
「俺は何でもいいから。北山テキトーに決めてよ。」
楽屋にピリッとした空気が走る。
『…は?何だよそれ。』
ーダメだ、止まれ。
そう心の中では警告音が鳴っているのに、膨れ上がる醜い感情に押し出されるように次から次へと言葉が溢れ出す。
「てかめんどくさいんだよね。俺はもともと渉との曲だけでよかったのに_」
ー『太輔!!』
渉が強い口調で俺の言葉を遮った。
静まり返った楽屋に、外の雨音だけがやけに煩く響く。
後悔が押し寄せたけど、
放った言葉はもう二度と、取り消すことなんて出来ない。
・・
803人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mini7(プロフ) - み。さん» 嬉しいコメントありがとうございます!投票済と言われても、星を押して下さるその気持ちだけで、胸がいっぱいです(T_T)これからも楽しんでもらえるよう頑張ります! (2016年2月17日 0時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
み。(プロフ) - お話の書き方が物凄くお上手でとても面白いです!更新される度に星押してます!(投票済ですって毎回言われますが笑) (2016年2月16日 3時) (レス) id: f318d2817d (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» 大丈夫ですよ〜♪藤北ちゃんはこうやって大きくなっていくんですから♪続き、まってます! (2016年2月5日 19時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - せりさん» せりさん、ありがとうございます!藤ヶ谷さんちょっと嫌な役回りをさせてしまっています…。ファンの方が気を悪くされないと良いのですが…汗(・_・; 今後ともよろしくお願いします! (2016年2月5日 14時) (レス) id: 7c7051b57e (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - mini7さん» たいぴー、すごい発言でしたね…。みっくんとたいぴー、なかなおりはやくしてほしいです!続き、まってます! (2016年2月3日 20時) (レス) id: 2f1917c8c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mini7 | 作成日時:2016年1月27日 0時