あたしの騎士は吸血鬼でした。

夜の吸血鬼 ページ17

りんねside
凛月が来てから一週間。

まだそれしか経っていないのに、ずっと前からいたような気になるのはなぜ？

ずっと一緒にいた気になるの。

もう離れられないくらいにね。

隣のお部屋の凛月はお寝坊さんだから、毎朝起こしてあげるの。

凄く迷惑そうな顔で、安眠妨害って言ってくるの。

夜は遅くまでお喋りするの。

だってあたしたちは夜行性なんだから。

少しくらいの夜更かしはいいでしょ？

夜しか弾かないけど、凛月のピアノが好き。

月明かりの中で奏でられる旋律が好き。

毎夜聞かなきゃ、眠れないくらいに好き。

そう、あたしは夜が好き。

あの暗闇と優しい月明かりの中でずっといたい。

世界で一番素敵な夜はここのあるの。

今宵も時間が過ぎて行くの。

もう眠らなきゃ、明日起きられない。

朝はきてほしくないのに。

いつまでも凛月と一緒にいたいのに。

お部屋に戻ってベッドに帰らなきゃ。

薄い三日月が笑ってる。

夜空の星が輝いてる。

ねえ、この日々に、終わりはないでしょう？

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