白い空間から ページ10
―――――ガラガラ
「A、国俊と会え―――――ごめん」
「待っ、蛍!」
「イチャイチャしているところ悪かったね」
「主さん!?」
「もう一度出直す」
「長谷部さんまで……」
蛍丸達がそう言うのも無理はない。部屋の中には愛染に抱きつくAと、顔を真っ赤にする愛染。いつも遊んでいるとはいえ相手は異性、愛染にはどうすることも出来なかったのだ。
「泣き疲れて眠ったっぽいんだけど、どうしたらいい?」
「え? 国俊、女の子泣かせたの?」
うわー愛染酷い、と主と長谷部が面白そうに言う。ますます愛染の顔が赤くなった。
「ばっ、違う! 違うから!」
笑いながら主が愛染からAを受けとる。その間に蛍丸が押し入れからAの布団を取り出した。
「Aが感情を表に出すなんて……何かあったのか?」
布団に寝かされたAを見ながら長谷部が愛染に聞く。
どんなに兄弟に軽蔑されようと感情を抑え無表情でいたA。しかしあのとき愛染に見せたのは心の奥から出た涙だった。「一人にしないで」という感情だった。
愛染は何も説明せず、ただ「Aの側に居てくれ」とだけ伝える。蛍丸達も何も聞かなかった。
そっと布団から出た手を握ってみる。温かいその手が握り返してくれる気がした。
―――――キィーン
何かの音がする。金属がぶつかるような、いや、もっと優しい。
愛染達の周りを星のような光が渦巻く。チカチカと誘うように。
気づくと彼等は真っ白な空間に居た。上も下もどこを見ても空間が続いている。
ハッとして愛染は握っていた手を見る。
Aが居ない。
誰かの話し声がした。上からだ。それと同時にどこかへ引っ張られるような気がする。
白い空間を
上に
上に
「A!」
彼女を呼ぶ声がした。
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aoi - とても面白くて好きです!良ければ更新してくださいませんか? (3月19日 17時) (レス) @page44 id: 91a548d4bc (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - これで終わりなのが寂しいです。もし続きが書けるのであれば書いてほしいです!図々しくてごめんなさい。 (1月2日 12時) (レス) @page44 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
pokopokopo77(プロフ) - 終わっちゃったんですかね…もしまだ続きがあったら読みたいです! (2022年3月28日 12時) (レス) @page44 id: f4ea1f05f5 (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 流華 - 早く続きを見てみたい‥‥‥‥です!キラキラ (2021年4月30日 23時) (レス) id: fd3650f0e7 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月30日 11時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のっと x他1人 | 作成日時:2017年3月8日 22時