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兄弟のために ページ43

「私は……これからAの救出に向かう」

場が揺らぐ。そんなことには気にも留めずに一期一振は続けた。
もちろん、私の練度では不十分かもしれない。

「だから、人手が必要だ」

一期一振が優しく見つめた先は──五虎退。
彼は気づいていた、ほんの僅かな弟の変化に。だが、どうしても時間が足りなかった。

「一兄、どうしてあいつを──」
「ぼ、僕……!」

五虎退が立ち上がる。瞠目する兄たちの視線を受けながらも、声を張り上げて五虎退は言った。

「僕、Aを助けに行きます……!」

もう嫌だった。Aを嫌うことも。本当のことに気づいてるくせして目を背けてしまうことも。あの日のような顔を、大切な兄弟にさせることも。
真っ直ぐにこちらを向いた五虎退を一期は和らげた眼差しで受け止め、また目元を引き締め周りを見回した。

「どうした……自らの弟を助けに行くのも嫌か?」
「嫌に決まってる」

薬研は顔をしかめる。裏切ったあいつを、自分達の親を殺したあいつを、許せるわけがないだろう。

不意に記憶の淵から一つの映像がこぼれ落ちた。

遠い昔に蓋をした、あの事件の日。
月の無い夜、無銘が血にまみれて──
……あれ、

思い出したのは、記憶していたものと異なっていた。

「確かに、Aがあの人を殺したのは事実だ。だが、お前達が見ているのは断片でしかない」

見知らぬ男だった。服装からして、夜盗の類いだろうか。手には、銘の無い粟田口。

はっと目を見張った弟たちに一期一振は吼えた。

「目を背けるな! Aは私たちの、粟田口の誇りある傑作だ!」

月の無い夜。無銘が──Aが血にまみれて



その目には、涙が

これが報いならば→←粟田口


ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー食べ物

すし


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aoi - とても面白くて好きです!良ければ更新してくださいませんか? (3月19日 17時) (レス) @page44 id: 91a548d4bc (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - これで終わりなのが寂しいです。もし続きが書けるのであれば書いてほしいです!図々しくてごめんなさい。 (1月2日 12時) (レス) @page44 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
pokopokopo77(プロフ) - 終わっちゃったんですかね…もしまだ続きがあったら読みたいです! (2022年3月28日 12時) (レス) @page44 id: f4ea1f05f5 (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 流華 - 早く続きを見てみたい‥‥‥‥です!キラキラ (2021年4月30日 23時) (レス) id: fd3650f0e7 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月30日 11時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のっと x他1人 | 作成日時:2017年3月8日 22時

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