悩んで、泣いて ページ36
長谷部から事情を聞き主が急いで部屋の扉を開けたとき、すでにAは目を覚ましぼんやりと部屋の隅を眺めていた。単なる貧血だったようだ。
AとAを運んだ蛍丸に不具合について詳しいことを聞き、前回の発熱の件もあり、主の怒りは頂点に達した。しかし、怒りと同時に後悔もあった。
どうして気づかなかったのか。もっと頼ってもらえるような審神者になれなかったのか。
ぐちゃぐちゃの感情のままこれまで不具合のことを黙っていた二人を怒鳴り付け、「明日、政府に行くから」と一言残して出ていった。
Aと蛍丸の二人になった部屋は静まり返っていた。
「……蛍……」
Aの声が空気を僅かに震わせた。
「何？」
「……もう……分からないんだ」
A？、蛍丸はAの顔を覗き込んだ。虚ろな目で布団を見つめている。
「愛染に不具合を見られたときも、粟田口の皆に拒絶されたときも、何をしたらいいのか思い浮かばなかった。
……でも……何でかな……勝手に言葉が出てきたんだ。気づいたら喋っていて……目が見れなかった、愛染の目も、粟田口の皆の目も……。
傷つける気はなかったんだ。ただ、どうすれば良かったのか分からなくて……。
ねぇ蛍……」
私は、どうすれば良かったの？
大きな音と共に扉が開いた。
「……愛染？」
愛染はゆっくりとAに近づいた。
「……ごめん」
愛染が呟いた。
「ごめん、A。俺、Aのことも考えないで。蛍から聞いたんだ。俺らに心配かけたくなかったって。あんなに血吐いて、辛かったよな。」
Aの前まで着くとがくりと膝をついた。
Aを見つめた金色の大きな目には、大粒の涙が溜まっていた。
「ほんとにごめんなぁ」
「明日、鬼ごっこしようよ」
泣き止んだ愛染とAへ蛍丸が提案する。
「でも俺、明日朝から出陣だぜ」
「私も政府にいかなくちゃ」
「じゃあ、二人が帰ってきたら。今剣や小夜とかも誘って！」
細い指を３本絡めて、３人は約束した。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物
すし
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aoi - とても面白くて好きです！良ければ更新してくださいませんか？ (3月19日 17時) (
レス) @page44 id: 91a548d4bc (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - これで終わりなのが寂しいです。もし続きが書けるのであれば書いてほしいです！図々しくてごめんなさい。 (1月2日 12時) (レス) @page44 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
pokopokopo77(プロフ) - 終わっちゃったんですかね…もしまだ続きがあったら読みたいです！ (2022年3月28日 12時) (レス) @page44 id: f4ea1f05f5 (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 流華 - 早く続きを見てみたい‥‥‥‥です！ｷﾗｷﾗ (2021年4月30日 23時) (レス) id: fd3650f0e7 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月30日 11時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のっと x他1人 | 作成日時：2017年3月8日 22時
