検索窓
今日:16 hit、昨日:5 hit、合計:569,121 hit

お使い ページ33

「うぅ……ぐす、どうしよう……」

あんなに「はぐれないでください」って言われたのに、はぐれてしまいました。周りは知らない人ばかりだし、さっき転んだ足は痛いし。お使いが終わって後はあるじさまのところへ帰るだけなのに……。

<主さん! 五虎退が無銘とお使いだって本当⁉>

兄さんがそう言っているのを思い出しました。

<そうだよ、二人とも今日はもう出陣はないから>

<正気か、大将? あんなやつが五虎退に手を出したら――>

<Aはそんなことしないよ。絶対に。>

<でも……!>

<五虎退はどう? 行ってきてくれる?>

断れませんでした。あるじさまに迷惑かけたくなくて。
でも、今日の無銘さんはいつもよりもっと怖かったです。ずっと何かを考えているようでした。

「あれ、君どうしたの?」

「!」

驚いて見上げるとそこには知らない人が。

「もしかして迷子? どこの本丸か言える?」

「えっと……あ、あの……」

本丸の番号は言えるけれど、知らない人に尋ねられて上手く言葉が出ませんでした。

「その……うぅ」

上手く喋れない自分が情けなくて涙が出てきそうでした。

「え⁉ 泣いちゃった⁉ どうして……ほら、怖くないから」

「うぅ……」
 




「見つけた!」

突然、聞き覚えのある声が聞こえました。その方向をゆっくり見ると

「無銘……さん」

「よかった」

息を切らしながら無銘さんはこちらに走ってきました。

「目を離してしまって申し訳ありませんでした。……そちらの方は」

「あぁ、いや、本丸を訪ねようとしたら泣かせちゃって」

「心配かけて申し訳ありません」

無銘さんは頭を下げました。泣いたのは僕なのに……。

「帰りましょう、五虎退さん」

「は、はい」

僕は無銘さんの隣に並びました。







本丸に帰る間、僕は考えました。僕がただ泣いているだけだったとき、無銘さんはずっと僕を探してくれていたこと。
確かに吉光公を斬ったときは怖かったけれど、でも本当は優しい人なんじゃないでしょうか。

<五虎退兄さん!>

……優しい人なはずです。

「五虎退!」

気がつくと本丸に着いていて、兄さん達が待ってくれていました。

「兄さん!」

思わず駆け出して抱きつきました。

「帰りが遅いから心配したよ。無事でよかった」

無銘さんが横を通りすぎるのが見えました。あんなに優しくしてくれたのに、抱き締めちゃだめなんて。


ごめんなさい、A

謝罪です※駄作者より→←精一杯の声


ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー食べ物

すし


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (744 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1856人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 粟田口
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

aoi - とても面白くて好きです!良ければ更新してくださいませんか? (3月19日 17時) (レス) @page44 id: 91a548d4bc (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - これで終わりなのが寂しいです。もし続きが書けるのであれば書いてほしいです!図々しくてごめんなさい。 (1月2日 12時) (レス) @page44 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
pokopokopo77(プロフ) - 終わっちゃったんですかね…もしまだ続きがあったら読みたいです! (2022年3月28日 12時) (レス) @page44 id: f4ea1f05f5 (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 流華 - 早く続きを見てみたい‥‥‥‥です!キラキラ (2021年4月30日 23時) (レス) id: fd3650f0e7 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月30日 11時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のっと x他1人 | 作成日時:2017年3月8日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。