私の願い事 ページ19
今日は内番で倉庫の掃除。扉を開けると、まだ相手はいないらしく中は静かだった。箒を手に取り先に掃除を始める。
そういえば教えてもらっていなかったけれど相手は誰なんだろう。
そんなことを考えて掃除を進めること数分、再び倉庫の扉が勢いよく開く。
「悪い、遅れた……って」
そこにいたのは
「薬研さん……？」
「何で無銘が！？」
暫く見詰め合っていたが、薬研さんが口を開く。
「……そうか、内番の相手を教えなかったのは……大将、何を考えて……？」
刺さるような視線を受けながら掃除を再開する。
それから掃除が終わるまで、私達は一言も話さなかった。時が進むごとに重くなる空気を背負いながらひたすら手を動かしていた。
内番が終わると薬研さんは出口へ急いだ。
――ドン！
私と薬研さんの距離が縮まる。端から見ると、私が薬研さんを棚に押し付けているようだろう。状況を把握すると薬研さんからみるみる殺気が漂ってくる。
「おい……無銘」
私は――
背伸びをして、落ちてきそうだった箱を支える。ズシッと指に重さがのし掛かった。
ゆっくり箱を棚に戻し薬研さんから離れる。薬研さんの顔を見ることはできなかった。
「これは……短冊かな」
私は主様の部屋に居た。箱を支えた時に落ちた細長い紙の正体を知るためだ。
「七夕の時のが残ってたんだね」
すると主様は短冊を私に渡してこう言った。
「A、この短冊に願い事書いたら？」
「願い事ですか……」
主様の部屋を後にして、自室へ戻る。机に向かって願い事を考えていると戸が開き二つの影が入ってきた。
「A！ 遊ぼうぜ」
「何やってるの？」
愛染と蛍だ。
「主様に『願い事書いたら？』って」
「短冊かー。俺は何書いたっけな」
愛染は『誉が沢山取りたい』
蛍は『身長があと少しでも伸びますように』
二人らしい願い事だ。
――『敵を沢山ぶっ飛ばしたい』は？
――それ、国俊の願い事でしょ
私の願い事を一生懸命考えている二人。そういえば前にもあったな。
＜A、人体模型欲しくないか？＞
＜それは薬研の欲しいものでしょ＞
＜A、本気にしなくていいですよ！＞
楽しかった日々。心の底からの笑顔。
「……願い事決まった」
私は紙に筆を踊らせた。
『“皆が”また笑顔でいられますように』
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物
すし
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aoi - とても面白くて好きです！良ければ更新してくださいませんか？ (3月19日 17時) (
レス) @page44 id: 91a548d4bc (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - これで終わりなのが寂しいです。もし続きが書けるのであれば書いてほしいです！図々しくてごめんなさい。 (1月2日 12時) (レス) @page44 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
pokopokopo77(プロフ) - 終わっちゃったんですかね…もしまだ続きがあったら読みたいです！ (2022年3月28日 12時) (レス) @page44 id: f4ea1f05f5 (このIDを非表示/違反報告)
花吹雪 流華 - 早く続きを見てみたい‥‥‥‥です！ｷﾗｷﾗ (2021年4月30日 23時) (レス) id: fd3650f0e7 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - 面白いです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月30日 11時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のっと x他1人 | 作成日時：2017年3月8日 22時
