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･･･というのはきっと言い訳で、私は私自身が傷つくのを守りたいだけなのかもしれないけど。
でもそんな思惑、りょうには全てお見通しみたいだ。軽く頭を撫でられ、はやく乗って！と促される。
「･･･じゃあ、お言葉に甘えて」
り「はぁい」
てつやがぐっすり眠っている隣の席にそっと乗り込みシートベルトを付ける。
虫さんは助手席で、てつやのパソコンをいじっているのが見えた。
さすがに3時にもなると外通りに人は全く見当たらない。自分にもじわじわと、睡魔がやってきたのを感じた。
その時に、虫さんがげっ！と声をあげる。
虫「てつや！ちょっと！！」
り「どうしたの虫さん」
虫「ねぇてつや起きてって！あーもう最悪じゃん！」
りょうがどうしたと言わんばかりに手元のパソコンに目をやり、しばらくして何となく察したように、「あー」と声を発した。
「え、どうしたの？」
虫「･･･今日あげるって言って、てつやに編集任せてた動画の編集データが壊れてるくさい」
り「えっ、やばくない？それ」
だって、てつやこの状態で明日起きれる？アップの時間までに間に合う気がしないんだけど･･･。
「動画のストックは？」
虫「今切らしてて･･･。てつやにもかなりきつく言ってたんだけど、今日絶対Aと飲みに行くのはやめない！って言い切るから、じゃあ今日中に編集終わらせるって約束でオッケーしたんだ。
僕が明日てつやのパソコンから上げるつもりだったんだけど･･･」
り「やば。大戦犯じゃん」
「あー･･･なんか、ごめん」
虫「Aは悪くないんだよ！全部この馬鹿が悪い！」
りょうの苦笑いを見て、虫さんはメガネを外してこめかみを押さえる。
「誰か編集できる人いないの？」
虫「僕はできるけど、明日朝一で他の撮影入ってて、としみつと行くつもりだったし、しばゆーはいま東京だし･･･りょうくんも仕事でしょ？」
り「うん。6時起き」
「え、待って6時起きなの！？やっぱ私はタクシーで帰る！」
り「だーめ」
虫「うーん、とりあえず僕が徹夜して編集すれば、昼くらいまでにはできるけど･･･
いっそもうTwitterで今日はアップできませんっててつやの土下座でもあげとく？」
り「それおもしろいかもよ」
しれっとりょうが仕事であることを知り、ますますここに乗ってるのが申し訳なくなったけど、出ようとしたらしっかりとドアロックがされていた。おまけにひょいっと私のカバンが人質に取られてしまった。
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作者名：餡子 | 作成日時：2019年4月21日 2時
