僕たちの妹 ページ30
「僕ね、腑に落ちた気がするんだ」
「なにが」
「いきなりなんだよ」
話があるんだ、とシュアから呼びつけられたのは同い年の俺たちだけだった。
僕たち3人だけで話したいんだ、と言うシュアに胸騒ぎがした。ジョンハンも怪訝そうに眉を寄せ、シュアの一人部屋に集まって座ったときの空気は、まるで説教が始まるような気さえするほど重たく感じた。
でも突拍子もなく、腑に落ちたんだ、なんて言うからそんなに重いことでもないのかも。と、俺とジョンハンは肩の力を抜いたのだった。
「僕はずっと、Aと僕には壁があるなって思ってたんだ。なんだか僕とだけ距離があるなって」
「…Aとの話？」
「そう、Aの気持ちの話。もっと早く気づくべきだったよ」
「…だからなにが」
「はは、ちゃんと話すから怒らないでよ」
少しイライラしはじめたジョンハンに苦笑いしたシュアは、少し躊躇ったような、至極言いにくそうに、呟いた。
「……たぶん、Aって自分のことを僕たちの付属物って、思ってるよね。なにか代償を払わないと僕たちとは一緒に居られないとか、そうでもしないと仲間で居られないとか思ってる」
そんなことない、と。即座に言えなかった。
シュアの大きな瞳が揺れている。
それを見ているジョンハンの視線が、少し鋭くなったような気がした。
「考えすぎかもしれないけど。自分はいてもいなくても同じとか、最悪そう思ってる気がするんだ。…それで本当にいいのかなって、僕は思うんだけど」
「…そうか」
「ふたりはどう思ってる？」
謙虚な子だなとは思っていた。だけど自分たちが賞を取っても音楽番組で１位を獲得しても、Aはどこか他人事のようで、どこか当事者だとは思っていないように見えるときもあった。
どうしたものかな、どうするべきかな、と考えを巡らさせていたとき。
ジョンハンが低く落ち着いた声で、シュアに真っ直ぐ言い放った。
「あのさ、Aがそう思わなきゃいけない理由があるかもしれないとか、考えたことないわけ」
「…理由？」
「いつも周りを気にしながら、俺たちみたいな異性に囲まれた環境に居続けるために、そうするしかなかったんじゃないの？どうしてAが冷たいみたいな言い方するんだよ」
「そうじゃない、ジョンハン」
「なんで、あの子のこと…、Aのこと、信じてあげられないの？」
唇を少し突き出して、怒ったような口ぶりだけれど、当のジョンハンは悲しく訴えるような表情だった。
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KEY(プロフ) - いつもありがとうございます🙇いつも最高です！ (2022年10月14日 22時) (
レス) @page43 id: e6e7d876c8 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごくキュンキュンします、何回も読み返してます😭 (2022年9月27日 10時) (レス) @page41 id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
名無し54892号(プロフ) - 作者様のお話本当に大好きなんです…！とってもキュンキュンして読んでるだけでも胸が苦しくなってくるような、本当に素敵な作品だと思います🥲何回も読み返して更新されてるかな？と見に来てしまっています笑決して無理はなさらず続きが読めるのを心待ちにしてます！ (2022年9月4日 15時) (レス) id: 1445cdbb12 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！！これからも無理のない範囲で良いので更新して頂けると嬉しいです私の生活の一部なんです🥲💞これからも頑張ってください！！ (2022年8月20日 19時) (レス) @page38 id: 0a0a63f7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - 作者様の作品とても大好きで何回も読み返させていただいています！ これからも無理のないように更新していただけると幸いです！これからも頑張ってください！ (2022年8月20日 16時) (レス) id: cc4c34b3df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2021年8月21日 4時
