・ ページ31
「泣かせないでよー！！まだ朝！！」
「ヌナァ…！」
「えっ…俺のおかげ？違う？」
「ふふ、どうだろうね〜」
ミンギュが嬉しそうに自分を指さすけど、Aは肩を竦めて、照れくさそうにはぐらかしている。
うるさいドギョムとスングァンの泣き声が響く宿舎。不機嫌そうに起きてきたウジがなんの話、と目を擦りながらぺたぺたと歩いてきて、ソファに電池が切れたように座った。
プロジェクトに入る前のAの話と知ると、ああ、と口元を緩ませて笑うウジ。
そういえば、作曲を担うウジとダンスを担うホシがプロジェクトにAを受けいれたのは、わりと早い段階だったと思う。俺は、実は説得された側だから。
「懐かしい話してるな、こんな朝から」
「ウジや、Aが俺たちに入ったのっていつだったっけ？」
「…んー…ミョンホよりは少し前だったと思う。いろんな人を説得するのに時間かかったし」
「じゃあAが日本から完全にこっちに来てから、…半年くらい？」
「そう。でも、入るまでにもよく飯作ってくれてたのも覚えてるよ」
Aはウジオッパおはよう、とコップ一杯のミルクを渡した。ウジが鋭い目でAを見ると、楽しそうに笑って、今度はちゃんとコーラを渡す。
このやりとり、懐かしいな。身長気にしてるウジが、頑張ってミルクを飲んでた時期があったっけ。
「なんだあいつ」
「あはは、これよくやってたな、可愛い〜」
「いまはコーラで背が伸びるって信じてるからな、俺は」
Aはいまだにミンギュたちにまとわりつかれて、やりづらそうに俺たちが食べたあとの皿を洗っている。
たまには手伝おうとシンクに並ぶと、あれ？今日は雪が降るね〜？なんて言いやがった。
そういえば、Aはこの話、知ってるかな。
「A、お前をSEVENTEENに入れようって言ったのウジとホシなの、知ってた？」
「え、そうだったんですか？」
「そう。月2回のレッスンだけって聞いたホシウジがさ、それでこんなに良い評価ってどうなってんだ！？って。Aの練習を見に行ったふたりが、興奮して帰ってきたの覚えてるよ」
「…へへ、そうなんだ。練習頑張って良かったなあ」
「あと俺のこと説得したのも、あいつらだよ」
え、と手を止めてAは口を覆う。
そこに起きてきたホシ。寝起きでぼーっとしたまま歩くホシに、Aはぎゅーっと飛び込む。
ありがとう、と言われ、固まるホシ。
「お？…え？A？！なにどうした！…どういたしまして！？」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1675人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊ゆいな＊(プロフ) - 更新待ってました（ ; ; ）最高です！今まで読んできたお話の中で一番大好きで何度も何度も読み返しました！！更新もちゅんちゃんさんのペースで無理しないで下さいね(*^^*)いつも応援してます！大好きです！ (2021年6月12日 11時) (
レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
フィガロ - 更新はもうしれないのでしょうか（ ; ; ）？ 突然更新が途切れてしまったので心配です…お知らせなどでもいいので何か報告待ってます(^^) お話の内容とっても好きです！更新も楽しみにしていますm(_ _)m (2021年5月19日 0時) (レス) id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
＊ゆいな＊(プロフ) - 久々の投稿ありがとうございます！！！！ハニオッパきゅんきゅんしました！！ (2021年3月30日 20時) (レス) id: 805ae0b089 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 更新待ってます！ (2021年3月5日 0時) (レス) id: 68c62b5d72 (このIDを非表示/違反報告)
さか(プロフ) - ふわふわした話だけじゃなくて、少し辛いお話が混ざってるのがとても好きです。でも、あまり過度ではなく直接的な痛い表現などは避けて書かれているのかなと伺えるので読んでいても辛い気持ちにはなりません。程よく読みやすくとても好きなお話です。 (2021年2月13日 6時) (レス) id: 4188621a8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2020年11月27日 8時
