9 ページ9
〔白石〕
カンファレンスで担当の
患者さんの情報を伝えているのは灰谷先生。
前に立って話すのがあまり得意じゃない灰谷先生は
いつも緊張してるのかな。
「…HCUの南さんですが、今日から一般病棟に
移られるそうです。…僕からは、以上です。」
前に立つなり、ニヤニヤしながら此方を見る橘先生。
「さて、ここで1つ皆に良い知らせだ。三井が抜けて、緋山と藍沢が戻ってきてくれて。フェローも少しずつ成長してる。それでも正直厳しい所がある。
そこでだ。もう1人、俺の知り合いのシニアドクターに声を掛けたら来てくれる事になったんだ。入ってくれ。」
もしかして…
ガチャリとドアを開けて入ってきたのは、
青いスクラブを着た昨日の人。
「ドイツの大学病院から急遽来てくれたA先生だ。」
『…A Aです。』
「あっ…!!」
ガタン、という音の方を振り向けば名取君が驚いた様子で立っている。
灰谷くんと横峰さんは、名取くんに驚いた様子で
何、どうしたの?と小声で話しかけている。
「A…。」
珍しく驚いた様子で、ぽつりとA先生の名前を名取くんが呟いたと思ったら
じっと名取くんを見ていたA先生が、瞬きをした。そして。
『…颯馬?』
昨日ぶりに私達同期がフリーズしてる。
名取くんの様子にも吃驚だけど、A先生にも吃驚してる。
「なんだなんだ、知り合いか?ま、フェローとも仲良くな。」
なんて、この空間で1人笑える橘先生、凄いなんて思ってたら
「あー…白石。院内の案内と設備、説明してやってくれ。それじゃ、解散。」
とんでもない爆弾を落とした橘先生は楽しげに出て行ってしまった。
「あ、ええと…まずはデスクの場所、なんですけど…」
『…敬語、使わなくて良いですよ。歳、同じくらいなので。』
「あ、そうなんだ。それじゃあ、デスク、フェローと一緒でも良いかな?場所開いてなくて。」
『…どこでも、良いですよ。』
「ありがとう、それじゃあ次にICU…って、昨日見たから分かるよね。で…」
院内の案内に行こうと思った時、ホットラインが鳴った。
「ごめん、案内はまた後で…!」
『…大丈夫です。颯馬…名取先生にでも、聞きます。』
「あ、そう…だね。」
何故名取先生と知り合いなのか、橘先生といつから知り合いなのか。
ドイツの大学病院ってどういうことなのか。
説明を聞く間もなく、患者さんを受け入れる為に走り出した。
647人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2019年8月30日 9時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
再びこなみ - 17 遥→はるか (2018年8月16日 9時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ - 8 遥→はるか (2018年8月16日 9時) (携帯から) (レス) id: cb44cdb910 (このIDを非表示/違反報告)
東雲 昴流(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!ふと思い出して書き始めたので遅くなってしまうかと思いますが、頑張ります…! (2018年7月28日 19時) (レス) id: ad54c4129e (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 続き楽しみにしております。 (2018年7月28日 17時) (レス) id: 15bef8530f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:東雲 昴流 | 作成日時:2017年8月18日 1時