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迷子。
道に迷った子供。連れにはぐれた子供のことを指す言葉である。
子供。
果たしてこいつは子供なのか?と国木田は真剣に考え始めそうになる。
だが、はっと正気を取り戻し、馬鹿な思考回路に陥るのを何とか食い止めた。
いやいやいやいや。どこからどう見てもいい歳した男だろう。
「そこの眼鏡」
「めがっ………!?」
失礼にも程があると文句を言おうとしたが、そういえば未だお互いの名前を知らないことを思い出した。
それに、あまり往来で怒鳴るのもよろしくない。
同僚に対してしょっちゅう至る所で怒鳴っていることは都合よく忘れ、国木田はごほんっと咳払いをする。
「眼鏡ではない。国木田独歩だ」
「くにきだ………分かった。次からはそう呼ぶ。
俺の名前は秋月ルヴだ」
「秋月?」
その名前を何処かで聞いたような気がした国木田は小さく首を傾げる。だが、思い出そうとするのはやめた。
「秋月。貴様は本当に道に迷って────おい、聞いてるのか?」
「悪い。聞いてなかった」
「………………」
国木田は悟った。
こういう人種はどれだけこちらが怒鳴ろうが叱りつけようが無駄なのである。
むしろこっちが疲れる。
社員でも何でもない以上、無闇にこちらが疲れるようなことをする謂れもないだろうと、国木田は極めて心を穏やかに、ルヴに話しかけた。
「何を見てるんだ?」
「鞄だ。今一緒に住んでる奴に似合いそうだ」
「そうか。どんな鞄──────ごっ……!?」
ショーウィンドウに近づき、飾ってある鞄の下に置いてあった値札を見た国木田は文字通り目をひん剥かせた。
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます (2019年10月26日 22時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
きなっちょ@本垢(プロフ) - 公開おめでとうございます~!!これからも応援してます!! (2019年10月26日 0時) (レス) id: 9d0e711e2b (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - 公開おめでとうございます!ずっと待ち構えていました!これからも応援してます! (2019年10月25日 20時) (レス) id: 5cd376c69b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月15日 19時