配達二九:お兄さん、怒る ページ36
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「有島幹部?」
「あれ、徳田ちゃんだ! 久しぶりだね! 元気だった?」
「お陰様で⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅。それよりも、何故貴方が此処に? 組織を抜けた筈じゃ」
「戻ってきたんだ」
徳田はそう云って笑う有島を見つめる。
「どうしてですか?」
「徳田ちゃんとレイくんに会いたかったから、かな?」
唇に人差し指をあて、口角を上げる。
艶っぽい笑みを浮かべる有島は六年前の有島そのものだった。
徳田は僅かに眉を寄せる。
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅有島幹部、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ?」
「貴方は、何時からそんなに嘘が下手になったのですか?」
じっと徳田は有島を見つめる。
有島は笑顔のまま。だが、その笑顔は不完全だった。
有島も自覚している。
「有島幹っ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅!」
「黙れよ。もう」
徳田の肩を掴み、壁に押し付けた。
鈍い痛みに徳田は顔を歪める。だが、しっかりと有島の顔を見据えた。
有島は笑ってはいなかった。それは怒りの表情だった。
「お前に俺の何が判る!! 何時でも何処でも嘘、嘘、嘘!! 何時も何時も、笑わなきゃならない!! 頭がおかしくなりそうなんだよ!! 頼むよ、頼む、頼むから⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
────────誰か、助けてくれ
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅わたしは、」
徳田は口を開き、言葉を紡ごうとしたが、有島ははっとしたように徳田から離れる。
狼狽え、そして口を手で覆う。
その瞳は大きく開かれていた。
「あ、あ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅、おれ、何して? ⋅⋅⋅⋅⋅⋅ごめ、ごめん、」
「有島幹部⋅⋅⋅⋅⋅⋅?」
「ごめん、ごめん、」
「あの、わたしは平気ですから、」
「最っ低だ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅。嗚呼、本当に、⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅消えてしまえたら良いのに」
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さにーさんに謝らねば!!
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!文ストのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (5月22日 13時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
水耶(プロフ) - 北森くん出てきてくれてめっちゃ嬉しかった!隼ってでてもしかしてって思ったけど、、灯さん天才すぎます!感謝しかない! (2023年1月17日 15時) (レス) @page20 id: 4c6b81a587 (このIDを非表示/違反報告)
野良神@アホの子症候群(プロフ) - 一部完結おめでとうございます! (2019年2月16日 15時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - ありしまま……………好き。一部完結おめでとう! (2019年2月16日 15時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - あああああ愛してるありしまんまみーや……今日の学校のクソさが全て洗い流された好き…… (2019年2月16日 13時) (レス) id: c18a6b747d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nyam83542/
作成日時:2019年2月4日 21時