cosmic is きらきら (ページ43)

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シュワシュワフライデー(YEL) ページ43

『今日、やっぱ家にしね？』

あ、そうだ。
今日私の家で呑んでパソコン直してもらう約束だったんだ。

自分で言っておいて自分で忘れてたし
むしろビービー鳴るのも忘れてた。

この間パソコン開いてみたらなんなく使えたから。

『りょーかい！』

まただ。
返信ついでに光くんのことを考えて、笑顔を思い出して、
心臓がぞわぞわぞわぞわーってする。

やだなー。これって間違いないよね、そうだよね。

「恋…」

「え！Aちゃん恋してんの？！」

振り返るとそこには髙木さん。

「ちょっと、声声！大きいですって！」

.

「おつかれー！ただいまー！」

自分ちでもないのに、光くんが"おかえりー"なんて言うから
"ただいま"が癖になってしまった。

リビングは真っ暗。

光くんの家は全部屋が遮光カーテンだから本当に真っ暗。
なにも見えない。

「光くん？」

鍵は開いてたし絶対に帰ってきてるはず。

手探りで、電気のリモコンを探す。

たしか、いつも、ここらへん、に…？

「さく、ら…」

造花の桜が手に触れた。

「ぅえ？！」

私の間抜けな声が響いて思わず口を抑え…
られない？

後ろから、ぎゅって抱きしめられて。

光くんが使ってる柔軟剤の匂いを強く感じた私は思わず体を縮こませた。

すると間接照明が灯って、淡く部屋が照らし出される。

部屋の壁にも桜。
芝桜？みたいな感じ。
センスよく飾り付けられていた。

それからリモコンを探す私の手に触れた花瓶に生けてある造花の桜もよく見えた。

でも、なんで？

「Aちゃんお花見したいって言ったでしょ？だから」

「え？」

振り返ろうと身をよじると一層強く抱きしめられる。
光くんが今どんな顔してるか確認できない。

「俺、Aちゃんと呑むの好き」

「うん」

それは私も光くんと呑むの楽しくて好き。

「でも大勢で呑むのが好きかって言われると…そーじゃない。職場のみんなは、堅苦しくてあんまり好きじゃない」

と、言いますと？

光くんの体温と部屋一面の桜で勘違いしそうになる。

ピンクが綺麗。

少しでも光くんから意識を剥離すべく部屋の桜に意識を集中。

そうでもしてなきゃ、頭が沸いちゃいそう。