シュワシュワ フライデー(YEL) ページ44
「だから、みんなでお花見はちょっと違うなって。金曜日のこの時間は、俺だけの特権かなって…その、」
だから 2人でお花見しようってこと？
だから 『今日家で』ってこの桜をセッティングして待っててくれてた？
その、…から光くんの言葉が出てこない。
どれだけそうしてたのか、時計のチクタクだけが響く部屋。
「あの、呑みますか」
私はボトルバッグを持ち上げた。
中身はシャンパン。
大好きなモエ。
氷入れて飲むやつ。
最近光くんと呑むと顔が熱くなっちゃうから…
今日はオンアイスにしようと思って去年の夏に買ったものを持ってきた。
でもこんなことされちゃったら光くんの顔なんて見れないし、
てゆかこんな時になんてことを言っちゃったんだろう。
って後悔してると
「酒好き過ぎか！俺今酒に負けたね」
するりと体温は離れていって無性に寂しくなった。
「花見酒！いいねー！」
ワイングラスにカランコロン。
「ん。んまいねこれ」
「でしょーこれ絶対美味しいと思って！今年の夏に光くんと開けようと思ってずっと取っておいたやつ！で、ね…」
そこまで口を滑らせて、下を向いた。
私のうきうき感が全身から溢れてしまったから。
どこまで、伝わっちゃったかな…
気付かれたらもう一緒に呑んでもらえないかもしれない。
そっとテーブルに置いたグラスは、ゴールドの泡がシュワシュワと。
「俺さ、なんとも思ってない子と毎週呑むほど酒好きじゃねんだわ」
「うん…」
「今年の夏までずっとこの関係だったら、俺多分無理だわ」
カランコロン
「いい加減気づいてよ、」
カランコロン
時期外れのアイスが溶ける音。
ぐびっと飲み干すと満を持して光くんに向き合った。
「あのね、私も…！」
長い長い金曜日の夜。
End
________
勢いって大事です。
私には珍しく1時間で構想、書き終えました！2017.03.31 プレミアムフライデー！
あとは�睫擇気鵑里笋弔粘扱襦�→
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作者名：もぶ | 作成日時：2017年1月24日 15時
