Luv ya(ORN) ページ29
だからなんとなく分かるんだよね。
俺がこの提案に頷かなきゃいけないくなること。
「俺、A以外と恋愛とか、できる気がしない」
「大丈夫、浮気できてるから」
「いや、浮気であって恋愛じゃないってゆーか。Aがいるから安心してたって言ったら怒る？」
「さすがにそれは開き直りすぎでしょ。大貴…うちら今年で26だよ。恋と愛は違うんだなって気付いたの」
「でもとにかく！俺はA以外ありえないよAがいいよ。Aも同じだと思ってたしそうだと思ってたい」
「じゃあなんで浮気するの？私が悲しむと思わなかった？想像力豊かなのに私の気持ちは想像できなかったってことだよね」
できなかった？
うん、できてはいなかったんだろうから否定しないで宙を見た。
自分で自分をぶっ飛ばしてやりたい。
こんなにこんなにAが大切なのに…
「……俺のこと、好き？」
「大貴のこと、1度だって、1ミリだって1ミクロンだって嫌いになったことなんてない。大好きだよ。それは今でも変わらない」
Aの優しい声と言葉に俺は何も言えなかった。
さて、とソファーから立ち上がるA。
「明日は最後のデートだから海に行きたい。館山」
最後か、やっぱり明日で最後になっちゃうのか。
悲しいほど可愛い笑顔で決定事項の最後通告。
「わかった…」
「ありがとう」
優しい優しい2人の時間。
まるで別れ話なんてしてる雰囲気じゃない。
いっそのこと、罵ってくれればいいのに。
Aの態度に余計悲しくなる。
「女の子が大貴の部屋に来てもいいように置きパジャマしてなかったんだよ、偉いでしょ」
そういえばAは毎回パジャマも歯ブラシも洗面用具も持ち帰る。
そういう子なんだと思ってた。
けどそれで"よっしゃ浮気楽勝！"なんて1度も思ったことないけどな。
辛さがやっとじわじわ俺を攻撃してきて思わずAを抱きしめた。
テレビも音楽も流れない、間接照明が淡く照らす部屋。
「どうしたらAの未来にいれるのかな」
大人しく俺に抱きしめられるAと日曜日には別れて他人同士だなんて、どうしても信じられないし信じたくない。
「どこかで繋がってたらよかったのにね？」
どこで間違ったの？
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作者名：もぶ | 作成日時：2017年1月24日 15時
