cosmic is きらきら (ページ28)

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Luv ya(ORN) ページ28

は？意味がわからない。
バイバイさよならって、きっと"別れる"って意味だよね…
そういう意味で合ってる？

「ちょ、A、事故りかけたからそーゆー冗談言わないで」

「これが冗談だと思うの？」

声の感じも怒ってるような雰囲気はないし。
いつも通り、通常運行。
言葉だけ別物みたい。

いつもより少しだけ重たいAのコロコロを引く。
エレベーターの中、無言なんだけど重苦しい空気。
Aはエレベーターに表示される階数をじっと見てる。

部屋に着くと早々に、出したくはないけど車の中の話題を引っ張り出した。

「ねえ、もう1度ちゃんと聞かせて？どういう意味？」

「私、知ってるんだよ。今までのことも全部。知らないとでも思ってるの？」

ソファーに座る俺とAの微妙な空間が、ほんのちょっとなのに近づけない。

「…ごめん」

「もうちょっと上手に、分からないようにやってもらえるかな？大貴はそれでなくても下手なんだから…相手の女の子をもっと賢くするとかね」

「ごめん！でもほんと、そんなつもりなくて1番はAだから！それは違わないしこれからも変わらないから！」

何よりも怖いのは、Aが取り乱してないこと。
俺ばっか焦って必死になって。
Aは…そうだな、例えると聖母マリア的な。
とてもとても優しい、悟りを開いたようなほんのり微笑んでるような顔で俺を見つめてる。

Aが言ってたようにこういうことは初めてじゃない。

俺はAに甘えてた。Aなら許してくれるって。
こんなこと言っちゃ悪いと思うけど2人のこの熱いわけでもなく冷たいわけでもない温度に完全に油断してた。

「こんなこと２度としないから。許して欲しい…ごめんなさい」

一生懸命この気持ちが伝わりますようにってAの手を握った。

「大貴との未来が思い浮かばない。辛い思いをする前にバイバイさよならしたい」

いつも折れるのは俺の方。

例えばお昼ご飯。
俺はがっつり系が食べたくて、Aはさっぱり系を食べたかったとする。
俺達の意見はずっとずっと平行していくわけだけど、どこかで必ず折り合いをつけなきゃいけない。
別々に昼食をとるなら別として。
そういう時の提案っていうのは確実にAが上手い。

ここの店ならがっつりにも作り替えることができるよ。そっちの店はがっつりしかないでしょ？私はたまに東京に来るんだから、大貴はまた今度行けばいいじゃん。そう言って俺を説得すんの。