Luv ya(ORN) ページ27
遠距離になってもうすぐ1年。
毎週でもないけど週末になると俺のマンションに寝泊まり。
そんな生活にももう慣れた。
交際期間5年の俺達はちょっとした熟年夫婦的な域だし、顔を見ればAの喜怒哀楽が分かる。
怒った時の対処法も分かるし、早く泣き止ませないと過呼吸になっちゃうことも経験済み。
あ、喧嘩が一切ないカップルってなんか逆に怖いよね。
怒ってても押し黙る子がいるけど俺は言いたいこと素直に言ってくれる方がいいや。
過去にそれが原因で別れたこともあるし。
「あれ」って言えば何を取って欲しいかも分かってくれる。
支離滅裂なこと言ってもちゃんと理解してくれる。
だめなことはだめって叱ってくれる。
なんかちょっとズレてるところがあるんだって。
そんなAも俺からしたらちょっとズレてるところあるんだけどね。
まぁ、あれかな。
育ってきた環境が違うからあーってやつかなって、俺はそれすらも微笑ましいと思ってる。
ん?これがズレてんのかな?普通だよね?
だから遠距離になったって何があったって俺達はずっとこうやって続いていくもんだって思ってるし、
俺達はニコイチでやっと完全体なもんだと思ってる。
いや、思ってた。
金曜日の夜に新幹線で東京に着いたAは新幹線の中でお酒を飲んできたってちょっとほっぺを赤くして笑った。
「ねえ、日曜日ってあかねちゃんの結婚式なんでしょ?何時から?」
「んーとね、朝イチにヘアメイクお願いしてる」
「そっかそっか。でもそーじゃなくて、何時から?って聞いたんだけど」
「披露宴がお昼ご飯の時間になるようにって言ってた」
「んー、時間忘れちゃったかな?」
「うん!忘れた!」
「あー、じゃあ仕方ないね!また荷物から招待状出した時に見るよ」
赤いほっぺがふんわり上がって可愛いなーって思いながら俺は車を出した。
「でもなんで時間気になるの?」
「次の日仕事だし、二次会には行かないでしょ?東京駅まで送るよ!」
「ありがと!でも大丈夫だよ?自分で帰れるから」
俺は次の言葉に思わずブレーキを踏んでしまった。
『それに、日曜日の朝で大貴と私はバイバイさよならするから。もう私を送ってくれなくていいんだよ』
心臓が急に痛くなる。
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作者名:もぶ | 作成日時:2017年1月24日 15時