cosmic is きらきら (ページ17)

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ジャスライクプリンス(PNK) ページ17

ひとつのベッドを見つめて立ち尽くした。
知念くんはソファに座ってゲームを始めてる。

「ね、ねえ。これって…」

「んー？」

「なんでひとつしかないの？」

「なんでって僕が予約した訳じゃないから分からないけど、ダブルでとったからじゃない？」

「え、でもふたつの部屋もあるじゃん！」

「え、Aってばかなの？それはツインでしょ？」

「え、ダブルとツインってどう違うの？」

「ベッドがひとつかふたつか、その違いだよ」

努めて冷静に頷いてみせた。
うん、うんうん、そっか。

部屋の予約は夕紀に任せたから…こんな間取りだと思わなかったんですけど。

「んじゃ、シャワー浴びてそろそろ寝る？」

「え？！」

「大阪に来てまで野宿とか嫌だし、僕はこの部屋もベッドも使わせてもらうからね」
そう言ってバスルームに向かった。

...

最初は楽しい大学生活、とはいかなかった。
内部の子たちが賑わう中で友達を作れずにいた私。
１週間だ、１週間以内に友達をつくっておきたい…！

そこに突然話しかけてくれたのはやっぱり内部生の夕紀だった。

「Aちゃんって山田くんと同じ高校なんだよね？」

「山田…涼介のこと？そうだよ？」

ピンクアッシュでもまったく傷みが目立たないキュルキュルキューティクル。
お人形さんみたいに綺麗なアーモンドアイ。

スタイルもよくて全体が整って、この子は絶対ミスキャンパスだなって子。

「A、おはよ。昨日シャーペンさんきゅ！お前友達できねーかもって泣きっ面だったけど、出来てんじゃん」

「…うん、涼介のおかげかも」

「なんだそれ。あ、知念だ。おはよー」

それから私達4人は一緒のグループ。

「みんなで旅行行かない？」

この1泊2日の大阪観光は夕紀の一言から始まった。

「お、いいねー！どこ行く？」

「えー。僕あんまり遠いとことか交通の便が悪いとこはやだよ」

すると夕紀がスマホをテーブルに置いた。

「大阪がいい！このテーマパーク行ったことないんだよね」

...

「Aも入ってきちゃいなよ」

いつの間にか知念くんはシャワーから出て歯磨きをしてる。
…なぜそんなに普通でいられるの？
私だけ？こんなにドキドキしてる。

「疲れたー。明日はきっと夕紀ちゃんに合わせて買い物でしょ？僕ゲームしてていいかなぁ？」

「あ、明日のこと聞いてみようか！」

「今電話したら…お邪魔なんじゃない？」

墓穴掘った。
自分の顔が熱くなるのが分かる。