cosmic is きらきら (ページ11)

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ハウリングオーケストラ(BLU) ページ11

暗がりの中、手探りでバスタオルを探す。
下着も何もかもがさっとまとめて抱え向かうのはバスルーム。
髪をまとめているといきなりバスルームの電気がチカチカとし始めた。

「え、ちょ！今？今のタイミングで切れる？！」

私の盛大な独り言がお風呂場に響き渡り
そして、完全に暗闇になった。

まじか…これいのちゃん起こして電球の保管場所聞かなきゃいけないやつだ。
って、へこんでたら聞こえてきた声。

「うーらーめーしーやー」

「おい！」

「ははは！怖かった？だって勝手に1人でシャワー浴びようとするからさぁ」

だって、いのちゃん寝てたんじゃないの？
ぱちぱち電気を点けたり消したりしてた犯人はいのちゃんだったらしい。

「怖くないよ。普通に電球が切れたのかと思った。あ、でも暗闇でお風呂って怖いのかな？」

その一言にまた楽しそうに笑った。

「ヤってみる？」

.

彼との関係は長い。
所謂そーゆーお友達。
セのつく友達だったり、ソのつく友達だったり。
大学時代からだから…歴代の彼氏より長い。

何も考えないこの関係は楽だ。
嫌われるかもしれないって無理に自分を演じる必要も傷つく必要もない。
今までの彼氏が長続きしなかった理由はそれ。

いのちゃんとは対等で同じ目線で自然でありのままでいられるから好き。

彼も、きっと私と同じだと思う。

いのちゃんは処理できる、私は人恋しさを紛らわせる。
ギブアンドテイクで一石二鳥ってやつだ。

「ふあー、仕事かーだるいなー」

「ね。さぼっちゃう？」

「あー有給もうほとんどないわ」

「あったらさぼるつもりだった？」

「それもいいかなって！最近いのちゃんと外で遊ばないもんね。いつもどっちかの家直行じゃん？」

それは少しだけ寂しくもある。
今まで普通の友達だった頃はご飯行ったり、大学の仲間と旅行行ったり。

「家で会えるんだからそんな必要なくね？」

「たまにはご飯とかさー」

「いやいや、恋人でもないんだし不要っしょ！」

その言葉にツキンとした。
それだけのため、それはそうだよ分かってたよ。
だけど、友達としていのちゃんが好きだったからこういう関係にもなったんだけどね。
もう普通の友達には戻れないのかな…

「あ、それよりここ赤くなってんじゃん！なんで！」

「あーばれた！恥ずかしい思いさせようと思ってたのに！」

「なにそれいのちゃんサイテー」

そうやって濁して濁して…
居心地がいいはずだったいのちゃんの隣に歪みが生じ始めた。